「冷やし中華にもち追加」「おやつにブドウ糖」 シュールな「将棋めし」文化についてプロ棋士に聞いてみた
将棋界の食事について広瀬章人八段に聞いてきました。
将棋の中継や報道を見ていて、「どうして棋士が食べたものの話でこんなに盛り上がるの?」と不思議に思った人はいないでしょうか。将棋ファンの間では棋士の食事やおやつに注目するユニークな文化があります。
もともとは新聞の観戦記で対局者の食事内容について書かれたのがきっかけ。「肉を食べたから気合が入っているのかも」など、難しい指し手のことがわからない人でも楽しめるとして好評になりました。必ず「うな重」を食べるなど棋士ごとに個性的な棋風……ならぬ「食風」もあり、今では「将棋めし」は将棋観戦に欠かせないコンテンツになっています。
ところでそんな休憩時間の食事が妙に注目されていることについて、当のプロ棋士はどう思っているのでしょうか? 漫画『将棋めし』の監修も務める広瀬章人八段に率直なお話を聞いてきました。
将棋めし的にもレジェンドな「ひふみん」
―― 今日はご自宅までお邪魔してしまってすみません。私服でこういう場に出られるのは珍しいですね?
広瀬:そうですね(笑)。将棋のお仕事はスーツや和服のことが多いですから。
―― 対局中の食事も将棋が本業の棋士にとっては「私服」みたいな部分なのかなと思うんですが、そこをファンに注目されるのってどんな気持ちなんですか?
広瀬:自分も不思議ですよ。なんでそんなとこ注目するんだろうって(笑)。ただ将棋に詳しくない人でもそういう部分をきっかけに興味を持ってくれるならいいことなのかなと。
―― 僕も「観る将(観戦がメインの将棋ファン)」なのでそう言っていただけるとホッとします(笑)。
広瀬:藤井聡太くんの活躍で出前の食事などが取り上げられましたが、それ以前はタイトル戦の「おやつ」が注目されていた気がします。おやつは食事休憩と違って盤の前で食べる様子が中継されるので光景としてはシュールですよね。
―― 棋士が和服を着て真面目な顔をしながらかわいいケーキを食べてたり(笑)。食事面で有名な棋士も多いですよね。
広瀬:やっぱり加藤(一二三)先生ですか。「うな重」の連採(連続採用)や板チョコの重ね食いなど、食べものに関する伝説は数えきれないですね。
―― 「うな重」をやめてからも1度の食事で「カキフライ定食」と「チキンカツ定食」を注文して周囲を震撼(しんかん)させてましたね(笑)。
広瀬:昔からケーキを5個くらい食べたりしていてすごかったです。自分より昔の時代はタイトル戦以外の対局でも将棋会館の人が用意したおやつが配られる文化があったそうなんですが、その名残でお腹が空くのかもしれませんね(笑)。
将棋界で行われる「食事の研究合戦」
―― 食事では丸山忠久九段も有名ですね。みろく庵の唐揚げ定食に唐揚げを3個増量する注文方法は「丸山定跡」とまで呼ばれています。
広瀬:最近は冷やし中華に追加するチャーシューの量も3枚、5枚、6枚とどんどん増えていて。丸山先生の新手メーカーぶりは僕も注目しています(笑)。
―― ものすごい健啖家ですよね。以前、味噌ラーメンとカツカレーを同時に注文していたときは驚きました。
広瀬:でも丸山先生って普段の食事だとそんなに食べないんですよ。「対局中は頭をものすごく使うのでお腹が空く」と以前言っていたような気がします。逆に対局中は食が細くなるという人もいますね。
―― 広瀬先生は対局時の食事にこだわりなどはありますか?
広瀬:自分は夕食休憩がある場合は圧倒的に「うな重」のことが多いですね。事前に決めておけば指し手以外のことで悩む必要がないという理由です。昼はみろく庵の定食が多いですかね。
―― そういえば将棋界では今「肉豆腐定食にもち追加」という定跡がブームですよね。
広瀬:佐々木勇気五段が最初に採用した手ですね。誰かが始めると他の棋士たちも追随して似た傾向になるみたいです。
―― え、将棋の手だけじゃなく棋士同士で食事の注文もチェックしてるんですか?(笑)
広瀬:研究対象みたいですね(笑)。最近だと藤井くんの頼んだ「豚キムチうどん」がすごく取り上げられて、棋士たちが次々に注文するようになりました。
―― やっぱり「勝ってる人にあやかろう」みたいなのもちょっとはあるんですかね?
広瀬:そういうのもあると思います。やっぱりアナログな人も多い世界なのでゲン担ぎみたいなのを気にする人は結構いますね。まあ単純に見てたら食べたくなった、とかも多いでしょうが(笑)。
―― 先日は佐藤康光九段が「冷やし中華」にもちを追加していて、「さすが独創的な将棋を指す佐藤先生だな」と思ったんですがあれも研究ですかね?
広瀬:ああ、あれは勘違いだったみたいです。
―― ええっ!?
広瀬:誰かが前に頼んでいたと思いこんで頼んだらうっかり鬼手になってしまったと。「2度とやらない」とおっしゃってました(笑)。
「ブドウ糖90%」のラムネを対局に持っていく
―― 棋士ってものすごく脳を使うから「1日の対局が終わると2キロ痩せていた」、とかって言いますよね。
広瀬:対局後に体重を計ったことはないんですけど、2日制のタイトル戦が終わったあとの自分の写真を見たら「すごい痩せてるな」って思いましたね。あの疲労感は独特です。対局の直後って体は疲れてるんだけど頭はものすごく冴えてるので寝られなかったりして。
―― 対局中の栄養補給についても聞きたいんですが、「ガス欠だ」って感じたりすることはあるんですか?
広瀬:自分はまだそれなりに若いおかげかなんとかなってますが、そういう人もいると思いますね。集中力が切れてきたりすると「糖分が足りてないのかな」とか思ったりします。
―― 対局中に甘いものを食べる棋士って多いんですか?
広瀬:チョコとか飴とかを持ち込んでる人は多いですね。昔は扇子1つでふらりとやってくる先生とかもいましたが、最近は少なくなったと思います。特に若手のほうがそういう「脳への影響」とかを考えて準備に余念がない印象がありますね。
―― ブドウ糖をそのまま食べる棋士もいると聞いたんですが。めちゃくちゃストイックですよね。
広瀬:そのあたりは個性が出ますね。佐々木勇気くんはバナナを食べていたり、佐藤天彦名人はおしゃれにフィナンシェを食べていたり(笑)。実は僕も最近、お菓子のラムネを対局に持って行ってるんですよ。
―― おお! 実際に食べてみていかがでした?
広瀬:普通においしくいただいてます(笑)。指し手に直接影響が出ているかはわかりませんが、気分転換になっていいですね。
―― 漫画の『将棋めし』でも「対局中のおやつはブドウ糖90%のラムネが最善手」っていうエピソードがありましたね。
広瀬:実際に食べてみてわかりましたけど、ラムネはすごくいい手だと思いますよ。溶けるチョコとかよりも食べやすいし、手が汚れたり周りにこぼしたりする心配もない。あと、ブドウ糖をそのまま食べるよりおいしいですし。ラムネを採用する棋士はもっと増えていいんじゃないかと思いました。
―― ラムネを食べた瞬間にいい手がひらめいて「ラムネマジック」みたいなことになれば、「もち追加」のように将棋界の定跡になりますかね?
広瀬:その第一人者になれるようにがんばります(笑)。
将棋に詳しくなくても楽しめる「将棋めし」。意外と棋士たちもお互いの食事を研究しているというのは驚きでした。将棋ファンの間で話題になっている食事は棋士たちも把握していて、結構自分の注文の参考にしたりすることもあるそうです。
脳をフル回転させて戦う棋士にとって、食事は重要なエネルギー源。中でも「ブドウ糖」は思考時の適切なエネルギー源だと言われています。「ブドウ糖90%」を含む森永ラムネは思考時にエネルギー補給をしたいときに「この一手」なお菓子です。
というわけで広瀬八段も愛用している「森永ラムネ」の提供でお送りしました。勉強中の学生さんや仕事中のビジネスマンの間食にもぜひどうぞ!(この記事もラムネを食べながら書きました)
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提供:森永製菓株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2017年11月5日