声優・竹達彩奈がニャンニャン鳴く「CV部」動画のいきおいがすごい ここぞとばかりに声優への思いを聞いてみた
竹達さんにしては珍しい擬人化アテレコの現場で聞きました。
アニメ「けいおん!」シリーズの中野梓役などで知られる声優の竹達彩奈さん。声優だけでなく、歌手としても活躍する竹達さんが、珍しく「擬人化アテレコ」に挑んでいる動画が安定の仕上がりをみせています。
竹達さんが挑戦しているのは、コンテンツスタジオ「CHOCOLATE Inc.」が手掛けるYouTubeチャンネル「CV部」。動物やTOYOTAの車などに人格とキャラボイスをアテレコする“擬人格化”プロジェクトとして10月に公開された第1弾では、福山潤さんや櫻井孝宏さんが登場。竹達さんは10月24日に公開された第2弾の動画で、保志総一朗さんや元SOUL'd OUTのDiggy-MO’さんと共演し、のびのびとしたアテレコで彩りを添えています。
ねとらぼではこのアテレコ現場に足を運び、アテレコを終え、「深く考えちゃいけないです(笑)。ストーリーをいきおいで楽しんでください」と笑う竹達さんに話を聞いてみました。
―― 「CV部」で、竹達さんは“クラウン”と”猫とうさぎ”の声優を担当されています。動物やTOYOTAの車などに人格とキャラボイスをアテレコするかなりトリッキーな企画という印象ですが、どうしてこの企画に参加しようと思われたのですか?
竹達 私は擬人化の企画にかかわったことがそれほどなかったので、車に声をあてる企画ってすごく楽しそうだなと思い、今回参加させていただきました。
事前の映像ではいただいたときにディレクターさんが仮で声をあてていたのですが、どれも愛があって、クオリティーが高かったんです。見ているだけで面白く、楽しい気持ちになったので、それを越えなきゃいけないプレッシャーを感じながらやらせていただきました。
おっしゃる通りどれもトリッキーなストーリーで、いきおいがすごいですよね。正直、私が思っていた擬人化とはだいぶ懸け離れている部分もありましたけど(笑)。
―― 懸け離れていた?
竹達 ラッパーのDiggy-MO’さんとコラボしたクラウンでの私はドライバー、乗客としての立ち位置でしたから。だから、「これは車にアテレコなのか?」と思いつつ(笑)。
―― ”猫とうさぎ”の方は擬人化アテレコに近いイメージでしたか?
竹達 そうですね。動物に声をあてて。こちらは純粋にせりふオンリーでしたから、安心して楽しくかわいくやらせていただきました。それでもやっぱりいきおいがありましたが……。
―― 「猫とうさぎ」はペロペロしたり、にゃんにゃん言ったり、にゃむにゃむしたりしていてノリノリですよね。せりふオンリーでないものもあるんですか?
竹達 クラウンだとラップがありますし、これから発表の動画ではミュージカル風のものもありますね。
―― ラップはともかく、歌手としても活動されている竹達さんならミュージカル風は苦にしなかったのでは?
竹達 違うんですよ。例えばレコーディング前って仮歌というものがあり、ちゃんと仮のメロディーがあってそれを聞いて覚えるんです。でも、今回はディレクターさんが何となくメロディーをガイドとして歌ってくださっていたんですけど、それが仮歌として成立しているかというとまた少し違う話で。ご一緒させていただいた保志総一朗さんとほぼアドリブで、お互いのテンションを感じあいながら掛け合いを楽しませていただいてます。
―― ところで、竹達さんは現場に臨むとき、何か自分でテーマを持って参加するタイプですか?
竹達 あまり自分の中でのテーマは設けないですね。自分でテーマを決めて作り込んでしまうと、現場にきたときに直せなくなってしまうので。瞬発力が求められる現場だと思うので、基本フラットな気持ちで何にでも対応できるようにしています。
―― では、瞬発力に期待して聞くのですが、竹達さんが個人的に擬人化アテレコしてみたいものはありますか?
竹達 スマホの気持ちを知りたいなって思ったことはあります。スマホは皆さんが持っていて、ゲームをしたり、電話をしたり、いろいろなことに使って生活に必要不可欠なものだと思うんです。コミュニケーションツールの1つとしていろいろ使う中で、擬人化したときに彼ら? 彼女ら? 性別は分からないですけど、スマホが何を考えているのかなって思うことはありますね。
例えば電話しているとき、もしかしたら「耳の油がつくからもっと大事に扱ってよ」と思っているかもしれないですし、ゲームのやりすぎで「ちょっと休んだ方がいいんじゃない?」と思っているかもしれない。LINEで友達から悪口を言われていたら慰めてくれるかもしれない。スマホの気持ちを考えたら面白いし、ちょっと愛しい子だなって思えます。
―― 日常でスマホとはがっつり一緒にいる感じですか?
竹達 がっつり一緒です。大事なデータが入っているのもありますし、困ったときはスマホで調べたり、今はアクセント辞典アプリというものもあったりして、せりふで分からないアクセントがあったときにすぐ調べられるんです。例えば「放棄」なのか「箒(ほうき)」なのか分からなくなったときに、しゃべって教えてくれたり。プライベートでも本当に離れがたいというか、必要なアイテムだなと。
―― アクセント辞典アプリ以外で「ありがとう!」って思えたものはありますか?
竹達 位置情報が消せるアプリ! 最近スマホを変えたんですけど、初期設定で位置情報が付いたままだったんです。それに気付かないで撮った写真に●●区って表示されていて「怖っ!」って(笑)。設定で変えられるのですが、既に撮影したものはどうしたらいいんだろうと調べたら位置情報を消せるアプリがあるのを知りました。
―― 仕事上、写真を撮ってネットにアップすることもあるでしょうから気になりますよね。もしかして、TwitterやInstagramに位置情報付きで投稿してしまったことも?
竹達 それはないです! 大丈夫です。私も不安になって調べたことがあるんですが、最近だと、例えばTwitterやInstagramは初期設定では位置情報を添えないようになっているんです。便利な時代でありがたいですね。
―― 話をアテレコに戻すと、スマホに(声を)あててみたいというお話もありましたが、竹達さんといえば、多くのファンは“肉”を連想すると思うんです。もし、肉に声をあてるなら?
竹達 考えたことなかったです(笑)。お肉を食べられるのはありがたいことですが、そこに命を吹き込むとかわいそうで食べられなくなります。あえて擬人化したことで食べにくくなってしまったら嫌だなって。
―― 肉は無心で食べるものだと。
竹達 と言いつつ、私、麺を擬人化して曲を歌わせていただいて……。
―― 「年中・愛は・無休」ですね。30代になられ、食の嗜好に変化はありますか?
竹達 変わらず肉は好きですけど、(胃に)もたれるんですよね。霜降り肉も、「いいお肉だな、おいしいな」って食べるんですけど、やっぱり次の日もたれます。最近だとロースやタンとか、そういうのが食べやすいかな〜って感じです。年々分厚いお肉より、薄いお肉の方が好きになってきていますね。
―― 何があったんですか。
竹達 個人的な考えですけど、薄いお肉の方が味を楽しめる感じがしていて。ステーキもすごくおいしいし、食べ応えがあるんですが、おなかいっぱいまでステーキを食べるよりは、コースで2〜3枚焼いて食べるとか、そういう感じの方がおいしく食べられるような気がしています。お肉の食べ方もちょっとずつ変わっているのかもしれませんね。
―― 今回の企画以外にも、最近はさまざまなジャンルにチャレンジされていて、幅広いですよね。
竹達 本当にありがたいことにいろいろなお話をいただき、お仕事をやらせていただいていて、いい経験にさせていただいております。私は、経験しないよりもした方がいいと考えているので、やらせていただくことが多いんですが、お受けするからにはちゃんと責任感を持ってやり遂げないとって気持ちを持っています。
―― では、少し質問を変えて、竹達さんは今、やりたいことがやれていますか? 今後、「こんなことがしたい」と思うものはありますか?
竹達 やりたいことをやらせてもらっていますけど、将来どうしていきたいかと問われると難しいものですね。やりたいことはたくさんあるんですけど!
でも、人生って……自分が一生懸命頑張っていれば、いろいろな人とご縁ができたりするし、やってみて向いてないなと思えば、やらないという選択肢もありだと思うんです。無理にこれをやめようって思うこともないし、声優業以外のことを進んでやりたいかというと難しいのですが。
私は自分が声優であることを誇りに思っています。この仕事をしている中で出会った作品たちはみんな宝物で、今後もたくさんの宝物を増やしていきたいですし、その中でいろんなスキルを身に付けていきたいと考えています。もしかしたら10年後には何か違う事をやっているかもしれませんし……たいして変わらないのかもしれません(笑)。1つ変わらないと誓えるのは、この仕事が好きだということだと思います。
―― お話の中で“縁”という言葉が印象的でした。竹達さんはその言葉をかなり重要視されているんですね。
竹達 はい。“私じゃなくてもいいこと”ってあると思いますし、“私じゃなきゃいけないこと”って本当に限られたお仕事しかないと思うんです。そんな中で私を選んでいただけたことはすごいことで、選んでいただいたからにはちゃんと責任を持ってしっかりやりたいです。
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