DIC岡里帆さんも絶賛! 世界が認めた「はがれないのにはがしやすい両面テープ」が地球規模の化学愛にあふれていた

数十年前から環境問題に配慮した製品を作ってきたDIC。時代を先取りしていたある製品の秘密に迫ります。

» 2022年01月11日 10時00分 公開
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 吉岡里帆さんの熱烈すぎる化学マニアぶりで人気の動画シリーズ「DIC岡里帆」の新作が公開されました。今回DIC岡里帆さんが熱弁するのは「#8800CH」……って、なんのことですかそれ!?

 「#8800CH」とは工業用の両面テープの製品名。DIC岡里帆さんは「しえち」と呼んでかわいがっている後輩なのだそうです。両面テープに名前つけてる人はじめて見た。

DIC岡里帆 #8800CH

 1996年に発売された「しえち」でしたが、実は発売当初は全然人気がなかったんだとか。この両面テープの特長は“強く接着しているのにはがしやすい”こと。つまり、さまざまな製品を解体しやすくしてリサイクルするのにぴったりのとてもエコな商品なんですが、当時は今ほど環境問題への意識が高くなく、ほとんど売れなかったんだそうです。しえち、いいやつなのに……。

DIC岡里帆 #8800CH

 しかし、環境問題に敏感なヨーロッパで評価が高まり、日本でも逆輸入的に注目が集まることに。リサイクルやSDGsなどの考え方が広まった今ではスマホやエアコンなど私たちの身近な製品の多くに使用されており、「まさに生活に密着してるんです、テープだけに」とDIC岡里帆さんもなんかうまいことを言うくらい絶賛しています。

DIC岡里帆 #8800CH

 世界に先駆けて環境問題に配慮してきたしえちこと「#8800CH」。まさに「化学愛で、人を救えるか」というDICの企業理念を体現してきた製品ですが、どうしてこのような両面テープが生まれたのでしょうか? しえちの生みの親であるDICに聞いてみました。

「#8800CH」に秘められたDICの「化学愛で人を救う」という想い

DIC岡里帆 #8800CH

DIC岡里帆 #8800CHDIC岡里帆 #8800CH 取材に答えてくれたDICの営業・竹内里奈さん、技術・渡辺大亮さん

―― そもそも家電などに両面テープが使われているということが意外でした。具体的にどんな製品に使われているんでしょう?

DIC:「#8800CH」はスマホや洗濯機といった家電、コピー機などのOA機器、さらには自動車から人工衛星の中の部品固定まで本当に幅広い用途で使われています。

DIC岡里帆 #8800CH 「#8800CH」が使用されている箇所の一例

―― そんなに! なんとなく接着剤などを使っているイメージでした。

DIC:確かに接着剤に比べると接着力は半分くらいなんですが、それでもA4サイズのテープであれば120Kg程度の負荷をかけてもズレないので接着力は十分あるんですよ。それにガチッと固まってしまう接着剤と違ってテープには弾性があるので、衝撃や振動に強いんです。だから自動車や洗濯機など振動が続くような製品で使うのには向いていますね。

―― テープって耐久性はどうなんでしょう? 自動車や洗濯機ってかなり激しい動作をしますし劣化してはがれたりしそうな気もしちゃうんですが……。

DIC:製品開発段階で厳しい加速試験などを行って長期使用に耐えられるかどうかしっかり検査しています。「#8800CH」は発売から約30年経ちますがこれまで「はがれた」という話は聞いたことがないですね。

DIC岡里帆 #8800CH 長期間の試験で強度を確認

―― だから“はがれないのにはがせるテープ”なんですね。なんだか矛盾した話にも聞こえるんですが、どうしてそんなことができるんですか?

DIC:それまでのテープはとにかく粘着力が強い「はがれないテープ」が主流でした。だから無理矢理はがそうとするとベタベタとした粘着剤のあとが残ってしまったんです。DICの合成技術で「はがす力にも耐えられる粘着剤」を開発することで、“はがれないのにはがせるテープ”を実現しました。

DIC岡里帆 #8800CH

―― そんなに画期的な商品だったのにどうして最初は売れなかったんでしょう?

DIC:やはり「はがれる両面テープって本当に大丈夫なの?」というイメージを持たれていたことが大きいですね……。当初は社内でも半信半疑だったくらいですから。それでも環境問題に配慮したこのテープが絶対に必要な時代になるという信念を持ち、耐久試験のデータなどを使いながら何年も説明をして少しずつ理解してもらいました。

―― まさに最近言われる「サステナブルな社会の実現」を何十年も前から意識していたんですね!

DIC:おかげさまで今では「#8800CH」を使った製品が世界中で生産・販売されています。これまでは電子機器の設計さんからお問い合わせをいただくことが多かったんですが、近年ではリサイクル工場や一般のユーザーさんからお問い合わせがくることもあり、環境問題への意識がすごく高まっていることを実感しています。日常生活でも“はがれにくくはがしやすいテープ”は便利ですし、私も自宅のカレンダーは毎年自分が開発した製品で貼っていますよ。1年が終わってきれいにはがせると快感なんです(笑)。

DIC岡里帆 #8800CH DIC社員さんも自ら開発したテープを愛用

―― 「工業用両面テープ」と言われるとなんだか自分には縁がないものかと思ってしまいますが、そう聞くとすごく身近な存在だとわかりますね。

DIC:設計や内部の構造まで意識される消費者は少ないと思いますが、本当に世界中の身近な製品のあちこちに使われているんです。電子機器の小型化が進んでより薄手で簡単にはがせるタイプのテープなども次々に開発していますし、「易解体=簡単に解体できる」ことでリサイクルの効率もよくなります。サステナブルな社会を意識するときに、DICの「#8800CH」というテープがあるんだな、ということを思い出してもらえるようになれば開発者としてもうれしいですね。

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提供:DIC株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2022年1月25日