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弾丸を防げる人工皮膚を、オランダの研究者が開発した。材料はヤギのミルクで作ったクモの糸だ。
この研究プロジェクトは「2.6g 329m/s」と呼ばれる。タイプ1の防弾チョッキで防げる22口径ロングライフル弾の重さと速度にちなんでの命名だ。実験では、人工皮膚は秒速329メートルの弾丸は防ぐことができなかったものの、速度を落とした弾丸を防ぐことができた。
この人工皮膚は、遺伝子組み換えしたヤギのミルクとカイコで作った人工的なクモの糸を使っている。鉄の5倍というクモの糸の強度に近づけるため、ヤギとカイコにクモの遺伝子を組み込んだという。この糸を人間の皮膚細胞と組み合わせて、人工皮膚を作った。
人口皮膚を作ったのはアーティストのジャリア・エサイディ氏とForensic Genomics Consortium Netherlands。遺伝子組み換えヤギを使った糸は、米ユタ州立大学が開発した。
エサイディ氏はギリシャ神話の英雄アキレスを挙げ、「近い将来、バイオテクノロジーのおかげで、神の血統でなくとも不死身の体を手に入られるようになるだろうか?」と述べている。
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