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“シースルーiPhone”に一歩近づく? 米大学が透明なバッテリー開発

米スタンフォード大学の研究者が、透明に見えるバッテリーを開発した。「スティーブ・ジョブズ氏にこのことを話したい。透明なiPhoneが欲しい!」とコメントしている。

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 米スタンフォード大学の研究者が、透明なバッテリーを開発した。透明ケータイの実現に向け、一歩近づいたと言える。

 ディスプレイやキーパッドなど一部が透明になっているガジェットは既に存在しているが、すべてが透き通っているデバイスはまだ実現していない。透明なバッテリーがないためだ。そこで同校の准教授イー・クイ氏らは、家電で使える透明バッテリーの開発に取り組んだ。

 バッテリーに使う素材を透明にはできないため、同氏は透明でないコンポーネントを目に見えないほど小さくして、透明なように見せる方法を見出した。「50マイクロメートルより小さなものは透明に見える。人間の目の分解能は最大で50〜100マイクロメートルだからだ」

 素材は、コンタクトレンズなどに使われている安価なシリコンであるポリジメチルシロキサン(PDMS)を使った。PDMSは電気を通さないため、PDMSにグリッド状の溝(約35マイクロメートル)を作り、溝に金属フィルムを蒸着させて導電層を設けた。その後、ナノサイズの電極材を含んだ粘性の液体を溝に流し込んだ。

 こうしてできたバッテリーは透明に見え、柔軟性もあり、コストも高くないという。 欠点は、出力が同程度のサイズの透明でないリチウムイオンバッテリーの半分程度というところだ。

 クイ氏は、「(Apple CEOの)スティーブ・ジョブズ氏にこのことを話したい。透明なiPhoneが欲しい!」と述べている。

 この研究についての論文「Transparent lithium-ion batteries」は7月25日版の「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載されている。

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