「落ち込んでたけれど、みんなの優しさに励まされた」――大怪我を負った「BLAZBLUE」ユーザーのために、ゲーセン仲間たちがしてあげたこと:日々是遊戯
本当にあったゲームのイイ話。仲間がゲーマー生命を絶たれるかどうかの瀬戸際に立ったとき……あなたなら何をしてあげますか?
ゲームが生んだ感動の絆
ゲームセンターの苦境が叫ばれる昨今ですが、一方ではゲームセンターという「生」の空間でしか生まれ得ない、絆やドラマといったものも間違いなくあります。先日、名古屋市のゲームセンター「アーバンスクエア大須店」で開催された「BLAZBLUE -CONTINUUM SHIFT II-」の大会は、まさにそんな“ゲームセンターならではの絆”が生んだものでした。
開催のきっかけとなったのは、格闘ゲーム大会「闘劇」本戦への出場経験もある「しのはら」さんが、ふとした事故で右手をケガしてしまったこと。ケガの状況はかなり重く、人差し指に至っては切断寸前、中指も骨と伸筋健に達するほどの重傷だったそうです。
当然ながら、格闘ゲーマーにとって指は命に等しく、うまく指がつながったとしても、今までどおりゲームができるかは限らない……。「何か自分たちにできることはないだろうか?」と仲間たちは考え、そして企画されたのが今回の大会でした。
主催したのは、しのはらさんのゲーマー仲間のひとりである「まさやん」さん。チャリティ大会ということで、参加料金は1人200円+しのはらさんへのカンパ代。「少しでもしのはらさんの負担を軽減できれば」という呼びかけはたちまち拡散され、大会当日は62名ものプレイヤーがしのはらさんのために集まったそうです。
「ケガをした直後は本当にショックで、何も考えられないくらい精神的に落ち込んでました。そんなとき、みんなから応援のメッセージをたくさんいただいて、どれだけ励まされたか分からない。普段ゲームセンターでしか会わないような人たちまで、その枠を跳び越えて応援してくれたんです。自分はただ格闘ゲーム歴が長いだけで、そんな応援してもらうような大した人間じゃない。ただもう、まわりが優しかった。本当に幸せ者です」(しのはらさん)
余談ですが、大会を主催したまさやんさんとは“トムとジェリーのような関係”だそうで、「いつも会えば口喧嘩ばかりしていたまさやんが、まさか自分のためにここまでしてくれるなんて思わなかった」としのはらさん。まるで漫画かドラマのような話ですが、やはり持つべきものは良きライバルといったところでしょうか。
なお、しのはらさんがケガをしたのは9月のことで、現在も治療とリハビリのため入院中。人差し指の感覚はまだ戻らないそうですが、中指、薬指、小指を使えばボタンは問題なく押せるとのことでした。さすがに以前と同じ動きを取り戻すにはまだかなりの時間がかかるでしょうが、しのはらさんならきっと乗り越えられるはず。仲間の応援に応える意味でも、1日も早くゲームセンターに復帰できるよう願っています。
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