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「ネコ付きマンションなんて幸せだにゃ〜」だけじゃない、殺処分からネコを守る活動(2/2 ページ)

東京都・文京区に実在するネコ付きマンション。ぷにぷに肉球のツンデレネコとの幸せな生活を楽しみつつ、実は“動物保護ボランティア”につながっているという。いったいどういう仕組み?

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「どうしてもやりたかった」気持ちは同じ

 TCG代表の山本さんは「保護団体として、1匹でも多くのネコを救いたいと思っています。これまでに『企業内ネコカフェ』なども検討しており、マンションも案の1つでした」と、当時を振り返った。オーナー荒川さんの「夢の“もふもふ”ネコライフをひとりでも多くの方に」という想いとマッチしたのだ。

 しかし、まだこれも1例目。ネコの殺処分は年間約15万匹にのぼる(平成22年度、環境省自然環境局発表より)。一方で犬は約5万匹となっており、保護が進んでいる。ネコマンションやネコカフェに対するメディアの反応やネコ動画の人気と、この現状は合っていないように感じる。ネコを飼ってみたいと思う人は大勢いるが、ネコを飼える環境がない――需要と供給が合っていないようだ。

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大塚シェルター

「ネコの保護とは“物流”、ペットショップがライバル」

 1匹でも多くのネコを救う。TCGの想いを代表の山本さんは、「物流」「ペットショップがライバル」と表現した。飼いたい方に、救いたいネコを届けるため、TCGのサポートはきめ細かい。

 「マンション暮らしを考えている方のチョイスの1つになりたいと思っています。特に若い方で、仕事や結婚など生活の変化で、最後まで責任を負える分からないという方にも興味を持ってもらいたい。ネコマンションの入居者や、里親になってもらった方には、24時間体制で飼育相談のサポートもしています」(山本さん)


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第2の「ネコマンション」登場に向けて

 荒川さんも自身のマンションだけでなく、第2のネコマンションに向けて、積極的だ。シェアハウスも検討中だという。

 「ネコマンションを検討中の大家さんを対象に、『ネコマンション講座』を開きたいと思っています。私たちにできることには限度があります。ほかの大家さんの考えも聞きながら、私たちのやり方を伝えた上で、様々なやり方を模索していきたいです」(荒川さん)

 最後にネコマンションに住んでいる方の声も紹介しよう。

 「ペットOKのマンションは増えていますが、『本当は嫌だけど、店子を入れるため』という物件が多いので、本当に動物ウエルカムなマンションに魅力を感じて入居しました。1匹飼っているネコがいるので、引越してから落ち着くまで待っていただき、相性の良い子を引き取ることができるようにと、配慮していただきました」(入居者の女性・48歳)

 荒川さんと山本さんの努力により、1つずつ「人とネコも一緒に幸せ」になる事例が増えてきている。第2のネコマンションの登場を楽しみにしよう。また、TCGの活動に興味を持たれた方は公式サイトをチェックしてほしい。飼う以外にも、例えば寄附という形で、子ネコのエサ5日分をまかなうなど、やれることはあるのだ。愛猫家の方は、ネコマンションを作る、住む、里親になる、寄附など、それぞれの方法で1匹でも多くのネコを救う手助けを始めてみてはいかがだろうか。


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著者紹介

林健太(@gabuken)は、1985年生まれの雑食系フリーライター・カメラマン。コスプレ、鉄道、ガジェット、アニメ、エロなど、ライトなエンタメ系を貪欲に足を使って取材。Webニュースサイトの記事を、単独取材で記事にすることが多い。日刊SPA!の編集業をメインに、R25、日刊サイゾーなどでも活動。


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