「ネコ付きマンションなんて幸せだにゃ〜」だけじゃない、殺処分からネコを守る活動(1/2 ページ)
東京都・文京区に実在するネコ付きマンション。ぷにぷに肉球のツンデレネコとの幸せな生活を楽しみつつ、実は“動物保護ボランティア”につながっているという。いったいどういう仕組み?
「あぁ……にゃんこと暮らしたいっ!!」――そんな気持ちを抱えながらも、住宅事情で諦めているネコファンは全国で何人いるのだろうか? ネットでネコ画像を眺めれば幸せな気分には浸れるが、あの肉球のぷにぷに感は味わえない。しかし、世の中には、そんな悲しい住宅事情を乗り越え、夢のネコとの暮らしを提供してくれるマンションが存在する。東京都文京区にあるネコマンション「伝通院チェリーマンション」である。オーナーは、自身も3匹のネコを飼っている荒川友美子さん。「夢の“もふもふ”ネコライフをひとりでも多くの方に」。そんな想いから、2010年6月にスタートした。
このマンションは一般的な“ペット可”マンションとは違い、用意されたネコから好きなネコを選んで一緒に住むことができる。いわば、“家具付き”ならぬ、“ネコ付き”のマンションだ。用意されるネコは、NPO法人東京キャットガーディアン(以下、TCG)が保護している成猫たち。入居者は、ネコの一時的飼い主となり、退去時には置いていくことも認められている(審査のうえ引き取ることも可能)。つまり、“仮の里親”となり、ネコとの暮らしを楽しみつつ、動物保護ボランティアに参加できるというわけだ。
室内はネコのための内装となっている。キャットウォーク、キャットステップ、壁穴付きで、ネコが走り回って運動できる。3匹程度の多頭飼いが推奨されているので、家中をネコが大はしゃぎしている姿を眺め、幸せを噛み締められることだろう。
「ああ夢のよう。今すぐ住みたい!」と思った方も多いとは思うが、実は現在マンションは満室。残念ながらすぐに入居することはできない。しかし、ここで朗報。2010年のスタートから2年。多くの大家からの問い合わせが舞い込んでいるという。つまり、第2の“ネコマンション”の登場もありえるのだ。
そこで、オーナーの荒川さん、TCG代表の山本さんに、ネコマンションの今後の展望、さらに「ネコの保護」についての話を聞くため、東京都豊島区にあるTCGのネコ保護施設「大塚シェルター」に行ってきた。ここは、保健所などからネコを引き取り、里親希望の方への譲渡まで、飼育・保護を行う施設だ。子猫から成猫まで、多くのネコがゲージで里親が現れるのを待っている。
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