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楳図かずおさん、ニコ生初降臨 「予備は5つ用意しておけ」――鬼才が明かすプロ魂まことちゃんハウスに潜入(2/2 ページ)

楳図かずおさんがニコニコ生放送に降臨。視聴者数が累計1万7000人を突破し、大盛り上がりとなったその模様を、楳図さんの自宅の様子とともにお伝えしよう。

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予備は5つ用意しておけ! 楳図先生のプロ魂

 番組で読み上げられた質問をいくつか紹介しよう。例えば、「漂流教室」に出てくる「ただいま」など、印象的なせりふはどのように思いついたか?――という質問。楳図さんは「ひらめくときの根拠ってないんですよね。ほんとにひらめくしかなくて」と“天才ぶり”を見せつけつつ「漂流教室のような異常な世界で発する言葉は普通の日常的な言葉の方が(良い)。ギャップですよね」と狙いを丁寧に説明する。

 楳図さんいわく、漂流教室は「異次元に放り出される冒険の話」というより「勉強の話」。子どもたちに命をかけて必死の勉強をさせたいと思いから描いた作品で、タイトルの「教室」にもそういった思いが込められている。ファンにとっては改めて語る必要のないほどの有名作品だが、「勉強の話」という目線でもう1度読んでみると、新しい発見や面白さがあるかもしれない。

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 続いての質問は、「おろち」を描き終わった後の心境を教えてください――というもの。「漫画を描いているときは、このキャラでずーっといけるぞ! と思っているんですが、突然終わりが来てしまうんです。編集長が代わったりするとね……大人の事情でね……」と楳図さんは苦笑いしつつ、「人間の社会を勉強しつつ描いていた」とユーモアを交えながら振り返っていた。

 ちなみに楳図さんは常に漫画のアイデアの予備を“5つ”用意しているという。「おろち」を描いた当時は「アイデアを考えている暇もない」ほど忙しい時期だったが、それより前に「おそれ」という作品を描いた際に思いついて予備のアイデアとして温めていた、姉妹の話があったため、それをベースにして「スルスルと描けた」そうだ。

 「準備体制は絶対にいざというときに自分を救ってくれますので。僕はアイデアの世界でやっていますから、突然の依頼にも耐えるために、5つ準備しておく。3つあれば複数と言えるが、複数よりちょっと多いぞっというくらい持っていれば、パニックにならないですね。それに頼らないで考えようと頑張るんですけどね」と楳図さん。鬼才のプロ魂には脱帽だ。

「グワシ」のコツを伝授

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楳図さんの自宅に飾られていたグッズたち

 前述したように番組のなかでは、視聴者による楳図作品のせりふの人気投票も行われた。5つの候補からリアルタイムに投票&集計した結果、1位は「誰にも望まれずに生まれてきました」(「14歳」よりチキンジョージのせりふ)、2位は「いいか、ここにあるパンは全部おれのものだ」(「漂流教室」より関谷のせりふ)に。これらを楳図さん自ら情感たっぷりに読み上げ、視聴者を楽しませた。

 悪役である関谷(「漂流教室」)に話が及ぶと、楳図さんは昨今のいじめ問題にも言及。「恐怖と笑いについて質問されたとき、追っかける方はギャグ、追っかけられる方は恐怖と答えるのですが、いじめもその図式。追っかける方は楽しくて楽しくてしょうがないから、いじめる意図は始めからない。立場の違いがあって、そういう大くくりを認識しないと。片方から見ると分かりづらくなる」と話した。

 終盤には楳図さんが「クモが嫌い」と意外な一面を明かして「皆さんは怖いものはありますか?」と逆質問したり、「グワシのコツを教えて欲しい!」というお願いに応じたりと、視聴者との交流を深めた。楳図さんによれば、手の中指と小指の2本を曲げたグワシポーズは、小指から曲げて作るのがコツ。だが楳図さんも上手にできないらしく「あんまり見ないで下さい〜」と照れていた。

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グワシポーズが苦手な楳図先生

 8月には展示会「楳恐展」、9月にはライブを控え、多忙の楳図さん。9月3日には76歳の誕生日を迎える。最近はダンスに凝っているそうで、ライブではパワーアップした歌とダンスを披露するという。さらに今秋には「UMEZZ PERFECTION!」シリーズから漫画「14歳」が登場。最後には楳図さんが「アシスタントなし」で新たに描き下ろしたオールカラーの18ページが追加されているとのこと。こちらもファン必見だ。

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楳図邸の玄関フロアに並んでいた人形たち
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いっぱいありました
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お客さん用スリッパも赤と白だった

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