スイマーの泳ぎを忠実に再現できる水泳ヒューマノイド、東工大が開発
実際の競泳選手の身体形状を再現し、複雑な泳ぎの動作ができる「SWUMANOID(スワマノイド)」を東工大が開発した。
東京工業大学 中島研究室のグループは、スイマーの泳ぎを忠実に再現できる水泳ヒューマノイドロボ ット「SWUMANOID(スワマノイド)」を開発しました。将来的に、より速く泳げる動作を解明したり、高速水着の開発などへの応用が期待されます。
水泳の研究で問題になるのが、例えば手で水を掻いている時に、手がどれくらい推進力を生み出しているのかというのを知るというのが難しいということです。実際のスイマーを使って測ろうとする研究もありますが、実際のスイマーだとスイマーの手にいろいろなセンサーを付けたりするのが難しいですし、全く同じ動きを何回も繰り返すということも、実際の人間だとできません。
SWUMANOIDは、実際の競泳選手の身体形状を三次元ボディスキャナで測定し、忠実に 1/2スケールで再現されています。また、防水処理した 20個のモータをコンピュータ制御することにより、スイマーの複雑な泳ぎの動作を作り出しています。
スイマーの動きというのは、肩が結構大きく動くんです。そういう大きな動きというのが、普通のヒューマノイドロボットではあまり想定されてなくて、そういうクロールのような大きな動きを実現するために、肩の部分に特別な関節を余計に設けています。
ロボット全体は4本の支柱を介して専用の駆動装置に取り付けられ、ロボットが水から受ける力を測定できます。現在は試作段階のため、泳ぎの速さは実際のスイマーのサイズに換算して秒速 0.64m(156秒/100m)と遅いですが、今後、更に改良して高速化を図る予定です。
バタフライと背泳ぎはすぐにでもできる状態です。平泳ぎは足の動かし方が違うので、今の足だとできないので、平泳ぎもできる足も開発中です。
やはり今だと指示されている状態で、泳いでないじゃないかということもありますので、実際に泳がすということですと、自由遊泳をさせたいと考えています。そうすると、ヒューマノイドロボットが今歩いたり走ったりできるわけですが、そこから更に本当の意味で泳ぐロボットができると、例えばスポーツの研究だけではなく、水難救助など水中で泳げるロボットならではの用途が見えてくると思います。
Copyright(c) Digitized Information, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 搭乗可能なロボット登場 萌えもコスプレもない漢のワンフェス
「ワンダーフェスティバル2012[夏]」リポートは、1/1のやら乗車可能やらでロボ成分多め。第二次世界大戦車両と、飛ばないけどすごい紙飛行機も紹介。 - 「歩くガンダムを観光のキラーコンテンツに」 自民党、ガンダム開発計画を語る
自民党の12時間生放送で注目を集めた「本気で考える自民党ガンダム開発計画」。まずは観光向けに歩くガンダムを作りたいそうだ。 - 人間に絶対勝てるじゃんけんロボットが開発される
キュアピースとサザエさんに勝てるのだろうか。 - ドキドキするとフリフリ 脈拍で動くねこしっぽ
脳波ネコミミと合わせてメイドさんにつけてもらいたい。 - 人型ロボットがぴったりそろった振り付けで「スリラー」をダンス
互いに同期しながら、同じ動きで踊る人型ロボットたちがすごい。 - 触るとピクッ 人間のお尻そっくりロボ「SHIRI」
「遠隔キス装置」で話題になった電通大の研究者が、今度は本物そっくりのお尻ロボットを作った。緊張したり、ピクッとしたりする。 - ニコニコ超会議:“ご家庭に配備できるロボット”も――ロボットクリエイターが作る「燃える男の未来の乗り物」
ロボット製作チームが一堂に会したニコニコ学会β「燃える男の未来の乗り物」では、陸戦型トイロボットや2足歩行型バイクなど“漢”な乗り物が披露された。 - 手も触れないのにコマが動く 魔法のような遠隔対戦チェスセット
「Wireless Arduino Powered Chess」システムは、科学なのに魔法のよう。遠くの相手と物理的なチェスセットで対戦できる。