触るとピクッ 人間のお尻そっくりロボ「SHIRI」
「遠隔キス装置」で話題になった電通大の研究者が、今度は本物そっくりのお尻ロボットを作った。緊張したり、ピクッとしたりする。
人間のお尻そっくりなロボットを、電気通信大学の研究者が開発している。その名も「SHIRI」だ。
SHIRIは、筋肉の見た目、触感の変化によって感情を表す尻型ヒューマノイド。ウレタンで作った人間大の腰のモデルに、Gluteus Maximus Actuator(GMA:大臀筋アクチュエータ)をつけ、シリコンスキンで覆っている。GMAは圧力をコントロールさせることで、筋肉の自然な変化や触感を再現する。SHIRIは、人間に触られたり、なでられたり、叩かれたりすると内蔵マイクでそれを検知し、人工筋肉による「Tension(張り詰める)」「Twitch (ピクッと動く)」「Protrusion(突き出す)」などの動きで「感情」を表すという。
ユーザーが最初にSHIRIに触れたときには、「Twitch」という反応が返り、ユーザーはSHIRIが怖がっていると感じるかもしれない。たたけばSHIRIが張り詰めたように感じ、優しくなでれば「Protrusion」反応が返ってきて、ユーザーはSHIRIが幸せと感じるかもしれない。
このプロジェクトの主眼は、有機的な構造を使って、人型ロボットによって微妙な表現を作り出すことという。「ロボット技術の革新的な使い方」「SHIRIとコミュニケーションする人々がどう感じるのかの議論の提起」が研究のポイントだと、YouTubeで公開された動画では説明されている。
開発者は電通大の高橋宣裕さんら。高橋さんは以前にも「遠隔地の相手とキスができるデバイス」を開発して話題になった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「遠隔地とキス」を発展させると「どこでもドア」になる? 触覚デバイスがもたらすコミュニケーションの未来像とは
電気通信大学のある学生が「遠隔地の相手とキスができるデバイス」を作った。電話やビデオチャットでは伝わらない「触覚」を、もし遠距離の相手に伝えられるとしたら――。同デバイスを開発した、電気通信大学 梶本研究室に「触覚デバイス」の未来を聞いた。 - ゲームと「触覚」は相性がいい? 触覚デバイスがもたらすコミュニケーションの未来像とは
なぜ「触覚デバイス」は普及していないのだろうか。後編となる今回は、学生たちを指導する梶本裕之先生に、触覚デバイスの課題や、触覚研究の可能性についてうかがった。 - リアルな女性ロボ相手に本番さながらの歯科治療 人型患者ロボット「シムロイド」
人間でしょうか? いいえ、ロボットです――歯科診療シミュレーションロボ「シムロイド」は人間の女性そっくりで、医師の指示に従って口を開けたり、「痛いです」と答えたりする。 - 見た目はちょっとアレだけど――香川大学の発話ロボットがすごい
香川大学で、人間の発声器官を再現した、歌ってしゃべれる「発話ロボット」の開発が進んでいる。次世代ロボット製造技術展で、ちょっと不気味な(?)その姿を見てきた。 - 触られてないのにくすぐったい感覚 触覚デバイスの未来を見てきた
iPhoneの画面を触ると、手のひらにくすぐられたような感覚が――リアルな触覚を再現するデバイスの研究成果が、CEDEC 2011で発表されている。