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達人の筆を再現できる書道ロボット、慶応大学が開発

慶應義塾大学が、書道の動作をロボットで忠実に再現する「モーションコピーシステム」を開発した。

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 慶應義塾大学 桂准教授のグループは、書道の動作情報から細やかな力加減を抽出・保存し、ロボットにより忠実に再現する「モーションコピーシステム」を開発しました。

 このシステムは、柄の部分と毛の部分が分離した筆を用いて書道動作の保存を行います。柄の部分がマスタシステム、毛の部分がスレーブシステムと繋がっており、普通の筆を扱う感覚で文字を書く事ができます。

 従来のモーションキャプチャなどとは異なり、「力の入れ加減」や「ものに触れた時の感覚」も記録・再現できるのが特徴で、これまで「勘と経験」に頼っていた熟練技能の伝承を効率良く達成できるものと期待されます。

筆にモータを取り付けて、人間の動作の中でも動きと力加減の2つをモータを使ってデジタル情報として記録するというのが新しい点で、さらにそのモータを使うことで、記録された動きと力加減がいつでもどこでも再現されるという技術です。

今回は書道の達人の動作をモータを使って記録して実際に再現する事に成功しましたので、人間のスキルを記録して再現するためにはやはり動きだけでなく、力加減の両方の記録が必要であるということを証明したということになると思います。

 位置と筆圧のグラフを見ると、マスタシステムの位置とスレーブシステムの動きは一致し、かつ筆圧は逆向きの波形となっており、マスタシステムとスレーブシステムの間で「作用・反作用の法則」が人工的に実現されているのが分かります。

今マルチメディアというと視聴覚の情報のみになっているわけですが、こういった物理的な力がネットワークを通じて再現されたり、あるいはハードディスクの中でスキルというものが保存されていて、それがネットワークでダウンロードされて、スキルのコンテンツという形で配信されたりといった形で、新しいITに力・行動・動作といった所が入っていくのではないかと考えています。

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