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映像を見るだけで触った感じがするシステム、早稲田大学が研究

バーチャルのキャラクターに触れられるようになるかも?

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 早稲田大学基幹理工学部表現工学科河合隆史研究室では、視覚による刺激を与えることで触感を得られるという、感覚間の統合を利用したクロスモーダル表現技術の研究を行っています。現在試作されている視覚誘発型「微触感」呈示システムでは、手には何も触れていないにも関わらず映像を見るだけで触感が得られるという現象を、極めて簡単な仕組みで実現させています。

ひとつは映像の提示にシースルー型のHMDを使用している事、またそれによって立体映像を提示していることがひとつ要素として挙げられます。普通にディスプレイで映像を見るのと違い、空間上に映像があるということが重要で、それに対して自分の身体、体や手、どこでもいいんですが、そういった体と映像が接触するという表現が自然な形で観察できるようになったのがこのシステムを構成する上で非常に重要になりました。

 まず、市販のシースルー型のHMDを装着します。ちょうど目の前30センチ程のところに物体が浮いているような映像がみえます。現在は温度感を表現するために炎や氷の映像を表示しています。表示されているコンテンツに触れるように手を重ねます。そうすると手の上に氷や火の玉が乗っているように観察できます。手の掌に近接するように位置を合わせて、低速な運動が感じられるように頭を軽く左右に振ることで、風に当る感覚やヒンヤリするなど微かな触感を体験することができます。

一つはエンターテイメントであったり、コミニュケーションツール、あるいは新たな表現をするという新しいメディアとして、このようなイリュージョンというものを考えた時に、そのコンテンツを作り出すという分野が考えられると思います。またそれとは別にシリアスな使い方としては、リハビリテーションであるとか、何かのトレーニング、教育等の分野でもこのようなシステムが有効利用できるのではないかということで、いろいろな検討を行っていきたいと思っています。

 試作したシステムでは、映像表現に対応して、温感や冷感など、得られる触感が質的に変化し得ることが分かってきました。河合研究室では、触感を伴う映像コンテンツや、教育・福祉などの分野での触感の有効活用を模索していきます。

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