ロシアのコスプレ事情は今 ロシア大型コスプレイベンター関屋智弘(せきや ともひろ)氏へロングインタビュー(後編)
「ロシアの人たちは非常に親日的」「アメリカとロケットの開発競争を繰り広げたような国ですから、手先は非常に器用で衣装作りも得意なんだと思います」――ロシアの大型コスプレイベント「HINODE」開催に携わった人物がロシアのコスプレ事情を語った。
前編はこちら:ロシアのコスプレ事情は今 ロシア大型コスプレイベンター関屋智弘(せきや ともひろ)氏へロングインタビュー(前編)
―― HINODEの期間中には具体的にどういった企画を行われているんですか
WCSの選考会はもちろんなのですが、コスプレイヤーとカメラマンがタッグを組んで完成度の高い一枚の写真を作るフォトコスプレイ部門や、コスプレをした参加者が数名でチームを作り、劇形式で行うパフォーマンスもあります。デフィレというファッションショーのような企画もあれば、カラオケやAMD(アジアンミュージックダンス)といったユニークなのものあります。
―― かなり色々なコーナーを設けられているんですね。
着地点をただの選考会という形にしようとは思っていません。ロシアの人たちが、アニメや漫画から知る日本の文化の情報量はすごく多く、そして印象強い。例えば、アニメでナルトがラーメン食べるシーンを見て「いつかは日本で同じようにラーメンを食べたい」と感じるファンも数多くいます。また「オリジナルの台詞をしゃべりたいから日本語を勉強する」といった強いモチベーションを日本のポップカルチャーは作り出せる。だからこそイベントの目的をコスプレに限定するのではなく、日本の文化を知ってもらう場として楽しんでもらいたいという思いがあります。
―― なるほど、アニメからコスプレ、と同様に、アニメから日本文化という流れは非常にわかりやすいですね。
はい。じつはロシアの人たちは非常に親日的です。もともとクオリティの高い日本製品に対して好印象はいだいていましたし、アニメ・漫画といったポップカルチャーの影響で特に若い人たちは日本に対して友好的ですね。そんな状況なので、ロシア各地でコスプレ自体への感心も高まってきています。昨年度はモスクワだけでイベントを行なっていたのですが、選考会としてもっと色々な方たちにチャンスを掴んでもらうため、今年からはいろいろな地方の団体に声をかけて、それぞれのトップ参加者をWCS選考会にご招待するという試みも始めました。ロシアは非常に広い国ではあるので、今年はモスクワの他に5つの地方都市、来年はさらに増やしてどんどん規模を拡大して行きたいです。「HINODEネットワークを全ロシアに」を目指します!
―― 今後、Hinodeがどういった形でロシアのコスプレ文化を変えていくのか非常に楽しみです。それでは最後に、世界の読者に向けてコメントをお願い致します
WCS2012に参加させていただき、全20カ国の代表およびその関係者の方々とお話させていただく機会に恵まれました。その時お話していて印象的だったのが、どの国の方々も「ロシアのコスプレはレベルが高い」と、褒めてくださったことでした。もともとアメリカとロケットの開発競争を繰り広げたような国ですから、手先は非常に器用で衣装作りも得意なんだと思います。ただそういった高評価をいただきつつも、「ロシアっていってみたいけれど、中々行きづらい」そういったお言葉を頂いたのも事実です。
だからこそ、Hinodeというイベントを通じてロシアのコスプレの情報をもっともっと世界中に発信し、文化交流を支えて行きたいと考えています。将来的に海外からのコスプレイヤーさんもご招待したいとも思っています。少しでもご興味ご関心のある方は、ご参加いただければ幸いです。
―― 本日は貴重なお話をありがとうございました。
HINODE 公式ホームページ:http://www.hinode.asia/
英文:Interview with Tomohiro Sekiya, Organizer of Russia's First Large-scale Cosplay Event [2/2]
© Tokyo Otaku Mode Inc.
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