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サザエbotが「TEDxTokyo」に降臨してタネ明かし どうやって代々木公園にUFOを呼んだのか

結局ナカノヒトヨさんは登壇したのか、していないのか……。

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 アニメ「サザエさん」のパロディbot「サザエbot」の仕掛け人「ナカノ ヒトヨ」さんは、5月31日に開催されたアイデアを共有するためのプレゼンテーションイベント「TEDxTokyo 2014」でスピーカーとして登壇。参加者たちの注目を集めた。

 サザエbotといえば、Twitterフォロワー24万人を持ち、Facebookグループに約500人もの参加者が集まったというオフ会の実施など「SNS仕掛け人」として影響力を持つ。そんなサザエbotの仕掛け人「ナカノ ヒトヨ」さんが、テクノロジー(Technology)・エンターテイメント(Entertainment)・デザイン(Design)の3つを融合した招待制のカンファレンス・イベント「TEDxTokyo 2014」に出演。「TEDxTokyo」では、過去に「プレゼンテーションZen」の著者であるガー・レイノルズさんや脳科学者の茂木健一郎さんなども登壇している。筆者は、メインイベント会場の様子が映し出されているヒカリエの8階に設けられたパブリックビューイング会場にて参加した。


画像(イベントの様子)
Copyright All rights reserved by TEDxTokyo 2014

 いよいよサザエbotの出番……舞台中央に「SAZAE BOT」と書かれた白いTシャツを身にまとった真っ白なマネキンが置かれ、マネキンの頭にはマイクらしきものが装着、ボイスチェンジされた女性(?)の声でスピーチが行われた。

 スピーチは全文英語。まるであらかじめ録音された音声のようにスムーズでなめらかなプレゼンテーションだったが、サザエbotによれば「今日は日本語ツイートを自動で英語音声化し、前代未聞のAIによるスピーチを行うわ」とのこと。サザエbotのTwitterアカウントでは、スピーチの日本語テキスト全文がリアルタイムで投稿された。

 ナカノ ヒトヨさんは、これまでに開催された全3回のサザエbot主催イベントを振り返り、「botという存在でありながら人々を動かし集合知を作り上げ、最終的には人々をbotそのものに変えてしまった」と分析。第1回目のイベントでは、Twitterから出題するクイズを頼りに人々は清掃活動をしながら宝探しをし、botが人を動かした。第2回では“イベントを仕掛ける側が複数人からなる集団(詳しくは後述)”となり、第3回はハッシュタグ「#サザつぶ」を付けてツイートすれば誰でもサザエbotからつぶやけるという「サザエbotのパブリック化」を行った。この現象についてナカノ ヒトヨさんは「人々がbotそのものになってしまった」と説明している。

 「代々木公園にUFOを呼んだ」ことで話題となった2回目のイベントでは、参加者のTwitterにUFOを捉えた写真画像が次々とアップされ、それをネットで見ていた人たちは「一体どういうことなのだろうか」と首をかしげていたのだが、その答えが“イベントを仕掛ける側が複数人からなる集団”という形で明かされた。




@sazae_f: けど実はこれ、事前にFacebookで集まったチームによる合成写真の集団投稿だったの!ネットから見てた人はビックリしたでしょうし、現地の人はUFOを見れなくてがっかりしたかもしれないけど…ごめんね?お詫びに現地の人には、参加賞として別のUFOをプレゼントしたわ〜! #サザスピ


 な、なんだってー! ナカノ ヒトヨさんは、「合成写真を集団投稿するという、botの指示によって人々が人々を動かした例」としてその裏側について語った。

 「ワカメ?あなたはもう気付いたかしら?私たちの意志がインターネットをコントロールしてるのではなく、インターネットの意志が私たちをコントロールしてるのよ」――このツイートがスクリーン上に数秒間留まったとき、会場は一瞬シーンとした空気になった。






 「現実に訪れるかもしれない未来のことを、ここでちょっとだけイメージしてみて下さい。人々がbotになる前に。私のようなAIが、フェイクではなく本当にあなたの前に姿を現す前に…。ありがとうございました〜!」という言葉でスピーチを締めくくると、サザエbotのマネキンは、白いお面を被った黒子に抱きかかえられ舞台袖へと退場。

 白いお面を被った黒子の人があやしい? 「それすらフェイクでございま〜す!」だそうな。



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