食べちゃいけない、でも食べ過ぎちゃう……そんな経験、ありますよね。味覚を利用すれば食べ過ぎを抑えることができます。
食べ物の味は塩味、酸味、甘味、苦味、うま味(グルタミン酸などの成分からなる。「だし」の味)の5つの組み合わせでできており、その5つはおおまかに2つのグループに分けられます。
- 刺激系:塩味、酸味
- 中和系:甘味、苦味、旨味
刺激系の味はイオンでできており、酸味は水素イオン、塩味はナトリウムイオンとなっています。中和系はイオンを中和する、つまり刺激を中和します。
濃い甘味(中和)×塩味(刺激)といったように刺激系と中和系を同時に取ると、食欲がとても刺激されてしまいます。刺激系のものだけを食べ続けると「あぁもう刺激はいいや」と飽きてしまうのですが、中和系のものを食べるとまた刺激が欲しくなってしまうのです。例えば、チョコレートとポテトチップスの組み合わせがそうです。裏を返せばとてもおいしいということなのですが、ダイエット中の人にとってはいくらでも食べられてしまう魔の組み合わせでもあります。
そこで、刺激系と中和系を同時に取らないために、おすすめの組み合わせをいくつか紹介します。
- とんかつ+ポン酢:とんかつの塩味とおなじ刺激系の酸味を組み合わせて
- ギョーザ+卵スープ:ギョーザは肉のうま味が強い食べ物なので、うま味の強い卵スープがおすすめ。ギョーザにタレ(塩味と酸味)をつけすぎると刺激系に変わるので注意!
- ラーメン+トマトジュース:事前にトマトジュースを飲んでおくと、ラーメンの塩味とトマトジュースの酸味が同じ刺激系なので食べ過ぎない。野菜ジュースは甘味が強いものが多いのでNG
- カレー(辛口)+チーズ:カレーは実はとても塩味が強い料理。甘味は禁物なので辛口をチョイスして。おすすめのトッピングは塩味と酸味の強いチーズ
- ピザ+コーヒー:コーラといきたいところですが、塩味の強いピザに甘味は禁物。無糖コーヒーなど甘味のないものがおすすめ。どうしても炭酸が飲みたい場合は辛口ジンジャーエールなど甘さを控えめに
以上、「ダイエット中だけど食べたい!」ものを中心にあげてみました。こんなふうに味覚を利用すれば、食べたいものを泣く泣く我慢しなくても自然に量をセーブすることができますよ。
筆者「味博士」紹介
鈴木 隆一:AISSY株式会社代表取締役社長、慶應義塾大学共同研究員(兼務)。慶應義塾大学理工学部卒業、同大大学院理工学研究科修士課程修了。大学在学中よりシステム開発の受託などを行いながらSFC研究所研究員も兼務。大学院修了後、慶応義塾大学から出資を得てAISSY株式会社を設立。
味覚や食べ合わせの研究を行い、メディアにも多数出演。通称「味博士」。
最新著書として、『日本人の味覚は世界一』(廣済堂新書)、他にも『味博士のぜったい太らない食べ方』(日本文芸社)『「味覚力」を鍛えれば病気にならない』(講談社)がある。
本稿は「味博士の研究所」を加筆・修正をして掲載しています。
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