公的機関を装って個人情報の削除を持ちかけ、最終的には車いすを購入させる悪質な勧誘が発生しています。各地の消費生活センターに相談が寄せられており、消費者庁が注意喚起を行っています。車いす販売元として名前があがる「成寿園株式会社」については、販売の実態がないとし、「勧誘があっても絶対に応じないように」と呼びかけています。
勧誘の流れの1例としては、まず「全国生活センター」「東京消費者センター」などと公的機関と似た組織名を名乗る人物から、「あなたの個人情報が4社の名簿に勝手に登録されている。当センターでは個人情報削除を行っているが希望するか」といった勧誘が持ちかけられます。
これを承諾すると、センターから「1社だけ削除できない」「削除するには別の人を代わりに登録する必要がある」などと報告されます。そして、代わりの登録者を立てるための相談先として福祉財団やボランティア協会を紹介されます。紹介先の福祉財団等は、代理登録者の確保を約束しますが、その条件として「成寿園から車椅子を購入するために名義を貸してほしい」と相談していきます。代金は福祉財団等が支払うと説明されますが、その後成寿園から「あなたの個人口座からの入金でなければ受け付けない」などとして、代金をゆうパックで指定場所に送るよう指示されます。
消費者庁は、成寿園が登記上の所在地(東京都中央区明石町8-1)に存在しないことや、連絡先電話番号の契約者が電話転送サービス事業者だったことを確認しており、同社の事業には実態がないと判断。「全国生活センター」等と裏でつながった勧誘だとみて、それらに応じないよう呼びかけています。また、成寿園をめぐっては「社債を買いたいので名義を貸してほしい」といった勧誘のトラブルも発生しており、さまざまなケースに注意した方がよさそうです。
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