「ファンと一緒に、ゲームも成長できたら」――ニコニコ自作ゲームフェス大賞「Hero and Daughter」開発者にインタビュー:闘会議2015
ニコニコ自作ゲームフェス4で大賞に輝いた「Hero and Daughter(HaD)」に、開発の裏側などを聞きました。
この記事は「闘会議2015」公式ユーザー記者のSAMCO@斉藤さんに寄稿いただきました。
2015年1月31日・2月1日に、千葉・幕張メッセにて開催されている「闘会議2015」。注目を浴びていた「自作ゲームエリア」の中でも人気だったのが、ニコニコ自作ゲームフェス4で大賞に輝いた「Hero and Daughter(HaD)」です。闘会議1日目には開発者のtachiさんが幕張メッセに降臨! ゲーム開発の裏側などについてお話を伺いました!
SAMCO@斉藤(以下S) 本日はよろしくお願いします。闘会議の感想はいかがですか?
tachiさん(以下T) 全体を見た感じ、すごいにぎやかだなぁと。始まる前にブースをまわったのですが、ちょっと奥の方にいて油断していたら開場したんですね。そしたら「ガーッ」と人が来て……。
S そうだったんですか。
T 「まずい、まずい、まずい!」と思って……。人の流れに巻き込まれそうでしたねぇ。(闘会議の)スゴさを実感しました。
S それは大変でしたね……。ところで、大賞に輝いた「ニコニコ自作ゲームフェス4」に応募しようと思ったきっかけは?
T そもそも自作ゲームフェスには「真面目に参加したい」と思い、まず「ニコニコ自作ゲームフェス3」に参加しました。この時はホラーゲームの「月光妖怪」というゲームで挑みました。賞(「Magino Drive賞」と「Xbox Live インディーズゲーム 優秀賞」)をいただくくことができましたが「本当は大賞を取りたい!」という気持ちでした。
S なるほど。T あの時は他にもっとすごい作品があったので……。でも「ニコニコ自作ゲームフェス4」は気楽な気持ちで参加しました。「月光妖怪」は真面目に作りましたが、次は「自分の作りたいものを作ろう」と思って、ゲームを作り始めていた。そんな折「ニコニコ自作ゲームフェス4」があることを知りました。なので「せっかくだから参加しておこう」みたいな。
S 「HaD」はたくさんの方に実況されていますね。
T 自分のゲームを実況してもらえるとうれしいですし、参考になります。フィードバックがリアルタイムなので。ゲーム内で発生したイベントの感想とか、すぐに聞けるので制作の参考にもなる。それに「あ、本当に喜んでくれているな」というシーンがあればうれしくなります。
S ゲームを制作する時には、ゲーム実況を意識して作ることもありますか?
T 前作のゲームや、前々作のゲームはかなり意識しました。意識したからこそ「ホラーゲームを作ろう」と発想し、前作の「月光妖怪」を作りました。ただ「HaD」は「本当に自分の作りたいものを作りたい」という気持ちでした。当時僕は「RPGは実況されない」「実況しにくい」と思っていましたが、「HaD」は全く実況を意識しませんでした。
S そうでしたか。
T それでも、実況してくれる人がいたというのはうれしいし、やはり(今後のゲーム制作の)参考になります。
S ドラクエ開発者の1人である中村光一さんからも太鼓判が押されていましたね。そういえば「HaD」は公開開始をしてから20回以上アップデートを続けています。アップデートを続けられるモチベーションを持ち続ける秘訣って何でしょうか。
T モチベーションかぁ……僕の場合は「未来に希望を持つこと」ですかね。「このゲームの先を作れば、このゲームはもっと面白くなる!」と言う希望があれば、そこの未来に向かって進んで行ける。
S 「未来に希望を持つこと」ですか。
T 「HaD」を毎週更新しようと思ったキッカケは、RPGを作った事が無くて、初めてのRPGゲームなので上手く行くとは思っていなかった。戦闘バランスとか……。なので、過去に自分の作ったゲームをやってくれた数少ないファンの方たちと一緒に、身内的な感じで(アップデートを)やっていければなと思っていました。早い段階でサイトにアップロードして、一緒にアップデートしながらフィードバックをもらっていこうという考えでした。「一緒に成長出来たらな」と。
S ということは、ユーザーの意見聞いて、どんどんアップデートを重ねていく、と。
T RPGを作る上で、それが最初のテーマでした。「HaD」が受け入れられても、受け入れられなくてもアップデートを続ける予定でした。
S そんな背景があったんですねぇ。ちなみに今作りたいゲームはありますか?
T 今一番作りたいのはアクションゲームですね。横スクロールアクションで1つ作りたい企画があるんですが……。でも多分……しばらくは作れないかなと思っています。
S 女の子が出てくるアクションゲームとか?
T やっぱり女の子がいいですね(笑)。
S (笑)。最後になりますが、フリーで遊べる「自作ゲーム」とは、tachiさんにとってどんな存在ですか?
T やはり「自由」なゲームではないでしょうか。制作者側に取っても「フリー」だし、遊ぶ側にとっても「フリー」。かなり自由な発想で作っていい世界だと思います。だからこそ、企業じゃマネできないような破天荒なゲームを作ったり、未来の扉を無理やりこじ開けるような。ゲーム業界にも少なからず影響を与えていくんじゃないかなと。
S 貴重なお話、本当にありがとうございました。
T こちらこそありがとうございました。
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