「牛乳は冬になると濃くなる」っていう話、聞いたことがありませんか。だからといって実際に、夏の牛乳と冬の牛乳を同じ時期に飲み比べることはできないし……。それっていったい本当?
「牛乳は冬になると濃くなる」 は正解。牛のエサや水分が影響
乳牛は一般的に、寒さに強く暑さが苦手です。牛が快適に過ごせる気温は、5〜25度前後。ヨーロッパの北部で酪農が盛んなのもうなづけます。日本ではやはり、北海道や東北、関東の高地など、涼しい気候の地方で盛んですね。
そんな乳牛、暑さが苦手なので、夏は食が進みません。食べるエサの量が減り、たくさん水を飲みます。そのため、牛乳の脂肪分が少なくなります。また、エサそのものも、夏は生の青草を食べますが、冬は貯蔵しておいた水分の少ない干し草を食べるので、夏のほうが水分が多く、脂肪分が少なくなるのです。
つまり、「牛乳は冬になると濃くなる」は正解です。夏はあっさりと飲みやすく、冬は脂肪分が多い濃厚な牛乳になるのです。
「乳脂肪分○○%以上」という表記の「以上」が示す意味とは
成分無調整の牛乳の場合、その基準は、無脂乳固形分が8.0%以上、乳脂肪分は3.0%以上です。一般的な牛乳は乳脂肪分が3.6%前後のものが多いですね。
でも、表記をよく見てみると「乳脂肪分○○%以上」となっています。この「以上」という文字は、いったい何を意味しているのでしょう。
上でも述べたように、牛乳の濃さは夏と冬では違います。成分無調整の牛乳では一年を通じて脂肪分が一定ではないので、「○○%以上」と表し、その数字は年間を通した場合の最低の時の数値を表記しています。
つまり、「乳脂肪分3.6%以上」とある場合は、脂肪分が少ない夏は3.6%ですが、冬はそれ以上ある、ということなのです。
ちなみに、北海道は年間を通して涼しいので、牛が草をよく食べて牛乳が薄くなりにくいので、脂肪分の年間平均濃度は本州の牛乳と比べると、0.2%くらい高いと言われています。
濃い牛乳を利用して、冬こそ「ミルク鍋」 !!
最近はお鍋の種類もいろいろと増えて、寒い時期には楽しみでもありますね。そこで、冬の濃厚な牛乳を利用した「ミルク鍋」はいかがでしょうか。
一口に「ミルク鍋」といっても正解はなく、具もスープもお好みで。
ミルク鍋に合う具は、鮭やホタテ、鶏肉、牡蠣、ベーコンなど。野菜はほうれん草やしめじ、にんじん、白菜などがよく合います。
スープはコンソメをはじめ、鶏がら、味噌、カレーなどもおいしいです。シメにチーズとご飯を入れたり、シチュー風、キムチ風など、いろいろと楽しめます。
牛乳は栄養価が高く、カルシウムやビタミンB2、たんぱく質などが豊富に含まれています。冬は濃厚な牛乳を飲んだり、料理に利用したりして、風邪をひかずに過ごしたいですね。
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