Googleが、ゲームの攻略法を自ら見つけて人間以上の高得点をたたき出す人工知能を開発しました(natureに掲載された論文)。同社が2014年に買収した人工知能ベンチャー・DeepMindのメンバーが開発に関わっており、昨今注目度が高まっている深層学習(ディープラーニング)という技術が使われています。
今回の実験では「ブロック崩し」といったAtari 2600の古典的ゲーム49種類を、人工知能にプレイさせました。人工知能は、ゲームに関する知識はまったく持っていません。しかし、高得点を目指すようにデザインされており、ゲームを繰り返しプレイすることで、徐々に得点を伸ばす方法を学習し、ゲームによっては人間並みの高得点をたたき出すようになったとのこと。49種類中29種類のゲームスコアで人間を上回り、43種類のゲームで既存の人工知能のスコアを上回ったとしています。
DeepMindは買収前の2013年に「Playing Atari with Deep Reinforcement Learning」という論文で、同じようにAtari 2600のいくつかのゲームを人工知能にプレイさせた結果を発表しています。例えば当時のブロック崩しの平均得点はすでに人間(上級者)のスコアを上回っていました。
そして今回の発表では人工知能のさらなる改良により、ブロック崩しで人間の13倍の得点をたたき出しています。100回程度プレーした段階ではボールを打ち返せないケースも多かったのが、600回を超えるとボールをブロックの奥側に回り込ませて大量にブロックを崩す攻略法なども身につけたというから驚きです。
とはいえ、全てのゲームで人間並みの高得点を出せたわけではなく、例えばパックマンのようなゲーム「Alien」では人間の半分以下のスコアとなっています。画面を縦横無尽に動きまわってプレイする、複雑な操作性を備えたシューティング「Asteroids」では、人間の10分の1以下のスコアしか出せませんでした。さらに、「鍵」をゲットしてゲームを進行させるといった複雑な文脈を持つゲーム「Montezuma's Revenge」では、0点という結果に。得意・不得意があるみたいですね。
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