1978年に渋谷の公園通りにオープン、建物の老朽化や所蔵資料の増加にともない、2013年9月に休館していたたばこと塩の博物館が、2015年4月25日に墨田区に場所を移してリニューアルオープンした。渋谷時代に比べ、面積は2倍になり、コレクションがいっそうパワーアップしたのだ!
なぜたばこと塩が同じ博物館で取り上げられているかといえば、かつては塩もたばこも国が独占的に作り販売していた専売品だったため。塩は毎日摂っていても、たばこは吸わないよ、という人でも楽しめるのがこのたばこと塩の博物館なのだ。
まずは、3階の常設展「たばこの歴史と文化」をのぞいてみよう。
入口では、たばこと人間の関わりを表す世界最古のレリーフ、メキシコ・パレンケ遺跡の「たばこを吸う神」がお出迎え。メキシコにあるものと同じサイズで、現地の職人が彫り上げたものを日本に持ってきて組み立てたそうだ。ちなみにこちらは今回のリニューアルにともない、新しく作ったレリーフでもある。
世界の喫煙具展示コーナーでは、こんなおしゃれな身につけ方もご提案。
コレで本当に吸ってたの? と驚愕するゴージャスすぎる喫煙具が地域ごとに展示されている。リニューアルにより展示面積が2倍になったため、コレクションの数は渋谷時代をはるかにしのぐそうだ。
お次は「近現代のたばこ文化」のコーナーもチェック。
レトロなたばこの宣伝カーや、専売時代からのたばこのパッケージ、宣伝ポスターが時代ごとに並べられている。リニューアル前にもこのコーナーはあったが、展示点数を大幅に増やして、さらにタッチパネルが加わっているのだそう。
ポスターの下のほうにある引き出しを開けると、さらに所狭しと貴重なパッケージが並んでいる。禁煙などどこ吹く風の、おおらかな時代だ!
そして、世田谷区の九品仏で実際に営業していたたばこ屋の店先をそのまま移築したコーナーも渋谷時代から受け継がれている。場所が移転したため、店名が「業平たばこ店」になっているのにご注目。
たばこ屋のおばちゃん気分を味わいながら写真を取ってもOKです!
続いて、2階の「塩の世界」にも行ってみよう!
こちらは幻想的なエントランスや、世界遺産にもなっているポーランドのヴィエリチカ岩塩湖の塩を使って、地下礼拝堂の聖キンガ像を再現。この聖キンガ像は、今回の移転で新しく作られたものだ。
3階のノスタルジックな雰囲気と対照的に、デートにも向くようなムードがある一方で、子どもにもうれしい遊び心あるコーナーも。
「塩のサイエンス」のコーナーは大幅にリニューアルされ、塩のプレートを置くと関連項目が表示されたり、関係のある塩が繋がったりと、ゲーム感覚で塩のことを知ることができるのだ。
そして、最後のお楽しみ、ミュージアムショップでは、さきほどのポーランドの塩や、たばこはもちろん、火打石まで購入することができる。たばこを吸わない人も、塩ブームに魅せられた人も楽しめる「たば塩」、休日に訪れてみてはいかがだろうか。
(増山かおり)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 藤子・F・不二雄の故郷・高岡市 「藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー(仮称)」を開設
藤子・F・不二雄先生の足跡を伝えたり原画を展示したりする。 - ウテナ、アイカツ!、うたプリなども 国立新美術館「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム展」が完全に俺たちのための展覧会
手塚治虫さんが没してから四半世紀の社会を、日本のマンガ、アニメ、ゲームから見つめる大規模な企画展。 - 住職も認めた特別展「鳥獣戯画」の漫画Tシャツがかわいい! 開催前に潜入してみた
オリジナルグッズの充実ぶりに驚き。 - 東京都美術館にて「大英博物館展」開催 ハリー・ポッターに登場した「ルイス島のチェス駒」も展示!
あの巨大なチェス駒との写真撮影が可能。 - 仏教音楽と最新テクノロジーの競演! 高野山開創1200年を記念した3Dプロジェクションマッピングに召されそう
なにこれ召されそう。 - 「深い……」とか思っちゃった? 美術館でただの時計とサングラスを現代アートっぽく置いてみた結果
なるほど、これには現代人が時間を色眼鏡で見ているというような意味が……え、私物? - 時代が徳川に追いついた 徳川美術館が刀剣乱舞オンリーで鯰尾くんの等身大ポスター出すよ
これは激戦の予感。 - 江戸城の御殿内もCG再現 徳川家の城にスポットを当てた展覧会「徳川の城〜天守と御殿〜」開催
江戸城はもちろん、名古屋城、駿府城、二条城、彦根城――一堂に会する城絵図・城郭図は約50点! - 「伊達政宗騎馬像」の圧倒的存在感 埼玉県立歴史と民俗の博物館で「戦国BASARA」のキャラクターを起用した特別展開催
いいねぇ、そいつぁcoolだ!