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ミュージックランキング1位「無料・聴き放題」の音楽アプリがApp Storeから消滅 タダで聴けるやつはやっぱり違法?

実は裏でイタチごっこがずっと続いていたのです……。

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 5月28日の早朝、それまでApp Storeのミュージック1位、無料総合6位にいた大人気の音楽アプリが突然、姿を消しました。



 「完全無料! 聞き放題! 保存曲数がなんと無制限で、君だけのオリジナルアルバムを作ろう!」という説明文ではじまるこのアプリ。最新のJ-POPのシングルやアルバム曲が、高品質のストリーミング再生で聴けてしまうと話題でした。


画像 「最高すぎるやばい!」(モザイク加工は編集部によるもの)

画像 「このアプリめっちゃすごいやん」(モザイク加工は編集部によるもの)

 このような無料で音楽を聴き放題のアプリは、App Storeランキングの上位に頻繁に姿を見せます。レコード会社がアップロードしたYouTubeのオフィシャル楽曲を再生するものもありますが、「数千曲・数万曲が聴ける!」などと宣伝しているアプリのほとんどは、どこの音源か分からない怪しいものを再生しているようです。

 実はここ数年の間、中国の音楽配信サーバーへアクセスして再生を行うアプリが、現れては削除されて、人気になっては消えて、を繰り返しています。ここにある楽曲のすべては許可なく、違法でアップロードされたものと言えます。

 楽曲をダウンロードして端末に保存できるタイプのアプリは、Appleが明確に禁止していますが、ストリーミング再生できるものについては禁止していません。また審査のときに、その音源が違法なものかどうかは判断できないため、削除されても、名前を変え、デザインを変え、何度も復活してしまいます。

 アプリの中には「海外のサーバーで配信しているものを再生しているだけなので“合法”である」と書いてあるものもありますが、スクリーンショットを見ると、明らかにJ-POPの人気曲が聴けるように表示してあるものも。これらのアプリが広告収益を得ても、その楽曲を提供しているアーティストやレコード会社には一切お金が入りません。


画像 スクリーンショットには思い切り日本の曲が……

画像 同様のアプリも多数

 日本で作られたアーティストの音楽が、海外の違法音楽配信サーバーへ無断で取り込まれ、それを知らずに日本のアプリユーザーが逆輸入してタダで聴いているという状況です。しかし、権利者がApp Storeと連携して規制を強化したり、国を越えた著作物を守る仕組みを整備したりしないかぎり、現状ではグレーと言わざるを得ません。

 海外では定番となっている「Spotify」のように、定額制で人気曲が聴き放題のサービスが、やっと国内でも本格的に始まってきています。公式で配信される楽曲を、アプリで気軽に聴ける時代がやってきました。無料で便利だからと、怪しいアプリで違法な配信を聴くのはそろそろやめて、ちゃんとしたものをちゃんと楽しむ。そんな風にインターネット上のコンテンツを利用するように心がけて行きたいですね。


アップトーキョー


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