高校野球のバット回し球児に「注意処分」の報道 埼玉県高野連は否定 「あくまで注意指導」
あのヌンチャクのようなバットさばきは高野連のルールを破ったものではないとのこと。
夏の全国高校野球(甲子園)・埼玉大会で、バッターボックスでとんでもないパフォーマンスを見せて話題となっている埼玉県立滑川総合高校の“代打男”(関連記事)。この球児に埼玉県高野連が注意処分を与えたと「東スポWeb」が7月24日18時ごろに報じたのですが、埼玉県高野連の担当者に確認をとったところ、「注意処分ではなくあくまで注意を呼びかけたけであって、誤報です」と報道を否定しました。
うわさの「代打男」が一躍注目を集めたのは、7月23日に行われた滑川総合対埼玉栄の試合でのこと。代打として打席に立つや、バットをまるでヌンチャクのように振り回したり、マンガ「ドカベン」の秘打「白鳥の湖」のような構えをとったりと、斬新な動作を見せました。その様子が動画としてネットに投稿されて話題に。メジャーリーガーのダルビッシュ有選手もTwitterで「どこの高校の誰か気になる(笑)」と取り上げ、とうとうメジャーリーグの公式サイトでも紹介されてしまいました。
同選手への「注意処分」を否定したのは、ニュースの中で取材に答えていた埼玉県高野連の高間専務理事。「処分というものは、高野連が定めるルールに反した事件などが起きた際に、日本高野連が各野球部へと下すもの。埼玉県高野連には決定の権限がありません」と、埼玉県高野連が処分を行う事態は発生し得ないものだと説明しました。
「今回の同選手の行動はルールを破ったものではありません。ただし試合におけるモラルやマナーには反するもの。打席でスウィングでもないのにバットを振り回すなんて、相手チームにケガさせる可能性もあって危険じゃないですか。なので『気をつけて下さいね』というように注意を呼びかけました。ただし『注意処分を与える』『厳正に対処する』ような重大なものではありません」(高間専務理事)
日本高野連は「日本学生野球憲章」の第7章「注意・厳重注意および処分」において、「処分」には次の4種類があると定めています。個人が野球部活動に関わることを禁止する「謹慎」、野球部が対外試合に参加するのを禁じる「対外試合禁止」、学生野球団体への登録を抹消したり登録資格の喪失したりする「登録抹消・登録資格喪失」、個人から学生野球資格を喪失させる「除名」。今回報じられた「注意処分」はいずれにも当てはまるものではなく、試合においてモラルやマナーを守るよう促す程度のものだったようです。
(黒木貴啓)
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