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一部に「買いたたき」や「著作権の無償譲渡」 公取委、テレビ局と番組制作会社の取引に関する調査結果を公開

テレビ局と番組制作会社の取引において、一部で「採算確保が困難な取引(買いたたき)」など法的に問題となり得る行為が見られた。

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 公正取引委員会は7月29日、テレビ局とテレビ番組制作会社の取引についての調査結果を発表した。制作会社に対し、買いたたきや著作権の無償譲渡など独占禁止法や下請法で問題となり得る行為が一部で見られたとしている。

 同委員会は以前から、独禁法上の優越的地位の濫用規制や下請法で問題となり得る事例が見られる分野について、実態把握のための調査を実施してきた。金融危機やネット広告の成長でテレビ局の広告収入が減って制作予算が削減されるなど、番組制作会社が厳しい取引環境に置かれていると言われている背景から、調査を実施したとしている。


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 調査はテレビ局(800人)、局系列テレビ番組制作会社(54人)、テレビ番組制作会社(800人)に質問票を送ることで行った。回答率はそれぞれ75.8%、71.7%、35%だった。回答者からのヒアリングも行った。

 調査の結果、番組制作会社はテレビ局などに比べて事業規模が小さく、特定の取引先との取引に依存している傾向がみられた。「採算確保が困難な取引(買いたたき)」を受けたと回答した制作会社は約20%、「著作権の無償譲渡等」は約13%。こうした不利益を受け入れた制作会社は、その理由を「要請を断った場合に、今後の取引に影響があると自社が判断したため」「テレビ局等から今後の取引への影響を示唆されたため」と答えていた。


優越的地位の濫用規制上問題となり得る行為を受けたテレビ番組制作会社の状況

 調査では「採算が確保できないような制作費の額を一方的に伝えてきた」「見積書の金額を全く無視した制作費が記載された発注書が郵送されてきた」と金額について一方的な要請をされた回答がみられる。「企画書にはない内容であっても、試写段階で担当プロデューサーの胸先三寸でロケのやり直しまでさせられることもある」「テレビ局等から、映画のチケットの購入を要請されて購入することがある」といった回答もあった。

 著作権について、「制作した番組の著作権がテレビ局に譲渡させられた状態にあるが、対価が支払われていない」「番組に使用しなかった映像についてもテレビ局に著作権が帰属することになっていて使用できない」「慣例的に協議することもなく取引先のテレビ局等に著作権を取られている」といった回答が見られた。

 公取委は調査結果を受けて、テレビ局などを対象とする講習会を実施したり、あらためて規制や下請法の内容を周知徹底するとしている。今後ともテレビ番組制作に関する取引実態を注視し、法律に違反する行為に厳正に対処していくと述べている。

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