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美術工芸の流派「琳派」が400周年を迎えたのを記念し、京都を中心にさまざまな企画展が催されています。11月19日に国立国会図書館が公式サイトで、本を通して琳派がどのように受け継がれ発展していったかを、同館の蔵書を用いて紹介する企画「本でたどる琳派の周辺」を公開しました。
琳派とは、桃山時代後期の本阿弥光悦にはじまり、「風神雷神図」の俵屋宗達や「紅白梅図屏風」の尾形光琳、酒井抱一らによって築き上げられてきた美術の流れ。草花や鳥、波などあらゆるモチーフを大胆に意匠化してしまうことから「デザイン的」とも形容され、国内外で親しまれています。実は五千円札に描かれているカキツバタは、「琳」の由来でもある尾形光琳の「燕子花図」を用いたもの。
国立国会図書館ではさまざまなテーマを蔵書で紹介する電子展示「本の万華鏡」を展開しており、第20回目に今回の「本でたどる琳派の周辺」を公開。「琳派が生み、本が伝えたかたち」「琳派が『琳派』になるまで」「海を越えた琳派」の3章に分け、江戸から現代へ、日本から海外へと、琳派が本を通してどのように継承と発展を遂げたのかひも解いています。
尾形光琳の解説文の横に、蔵書からデジタル化した「紅白梅図屏風」の絵を参考図として載せ、クリックするとすぐに引用元の資料がネット上で読めてしまうという、国立国会図書館のコンテンツを生かしたつくりが魅力的です。各章もあえて順番を設けずにそれぞれ独立した内容にし、興味あるところから読めるようにしてあるそう。400周年の琳派への知識を、国会図書館ならではの切り口と資料をもって深めてみたくなります。
(黒木貴啓)
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