DMMからリリースされた新しいブラウザタワーディフェンスゲーム「政剣マニフェスティア」が、例によって業が深いと話題になっています。美少女化された歴代総理らしき「政霊」たちを指揮し、「戦挙」で「ヤトー」を倒すというもの。艦隊、お城、建材とさまざまなものを美少女化してきたDMMですが、ついに禁断の果実に手を伸ばしてしまったようです。
事前告知らしきものもほとんどなかったようで、多くのユーザーが突然のリリースに驚いていました。最近のオンラインゲームには付きものである事前登録キャンペーンすら行われなかったのは、扱う題材の可燃性が高すぎたせいでしょうか。
ゲームを開始すると、最初に「このゲームはフィクションです。実在の人物、団体とは関係ありません。ホントに一切関係ありません。ただの美少女が戦うファンタジーです」と大変厳重な注意書きが表示されます。まるで何かにおびえているかのような書き方です。国家権力とか。
続いて、謎の精霊(?)「ナイカク」が簡単にストーリーを解説してくれます。「コッカ」と呼ばれる地が「ヤトー」という、用もないのに地方に出かけたり、女遊びにうつつを抜かしたり、リョーシュー書を経費で落としたりする恐ろしい連中に襲われているので助けてほしいとのこと。私はこのゲームを考えた人たちのほうが恐ろしい。
こうしてプレイヤーは「ナイカク」に促されるまま、「総理」となって「コッカ」救出に向かいます。コッカでは、謎の女性が「ギジドウ…ポリス、ハイレナーイ…ギジドウ…ヨンカイ、ベンジョナーイ」と謎の呪文を唱えていました。もう勘弁して。
会話を終えると、チュートリアル戦挙(戦闘)開始。前述の通りタワーディフェンスゲームとなっており、敵の城を制圧すれば勝利となります。
取りあえず1時間ほど遊んでみたのですが、恐ろしいことに、割とよくできています。有名メーカーの作品だろうとリリース直後はダメダメなことが多いオンラインゲームやブラウザゲーム界において、えらい先生方が一言「喝!」と言えば跡形もなく吹き飛びかねない題材を扱ったゲームがちゃんと良質なタワーディフェンスしているとか一体どういうことなのでしょうか。ゲーム業界の闇を感じます。
戦闘でプレイヤーが操作することになる「政霊」たちは「アリシア・ヤマータ」(3代総理:山縣有朋)や「タルア・カツラ」(11代総理:桂太郎)など、歴代総理をモデルにしていると思われます。巨乳になった歴代総理や幼女になった歴代総理に、萌えたければ萌えればいいんじゃないかな。かなり上級者向けです。
また、「政霊」たちにはスキルが1つ設定されているのですが、「松方デフレ」を引き起こした4・6代総理の「松方正義」をモデルにしていると思われる「マーシャ・マツカタ」のスキル名が「デフレ砲」だったりと、一部かなりパンチが効いています。歴史の勉強にはなるかもしれません。
しかし、同作の最大の業であり罪である部分は、メニュー画面で「政霊」の胸のところをクリックすると、ちゃんと胸タッチ判定が存在するところでしょう。歴代総理をモデルにしておきながら、まさかの胸タッチ。作った人たちは一回怒られるべきだと思います。
音もなく始まり、ジワジワと話題になってきつつある「政剣マニフェスティア」。果たして、このまま思わぬ快進撃を続けるのか、段々と話題にならず消えていくのか、ある日突然“なかった”ことにされるのか。いろんな意味で注目です。
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