YouTubeに投稿された「2045」という自主制作映像がすごいと話題となっています。映像そのもののクオリティの高さはもちろん、作者の「38912 DIGITAL」さんは、なんと2000年生まれ。まだ中学3年生だというから驚きです。
舞台は2045年。人類は技術的特異点を迎え、地上の全ての物が高性能なナノロボットで構成されるようになります。しかしある日、何者かがナノロボットを乗っ取ったことで、世界は崩壊への道をたどることに。
「2045」は、中学2年生の後半から3年生の前半にわたり約1年間かけて作られた作品で、高校受験が終わったことを機にWeb公開に踏み切ったそう。「Adobe Creative Suite 6」のソフトと3DCG制作ソフトの「Blender」を使用しており、作中の3DCGはモデリング・テクスチャを含めて全て1から作り上げたといいます。
オフィス崩落のシーンでは、舞い散る破片や爆発の炎、弾ける火花まで緻密に描写されており、中学生であることを抜きにしても、これだけ作り込むのは相当なレベル。3DCGだけでなく実写合成やマッチムーブを使ったシーンもあり、総合的な技術力の高さが見てとれ、ネットでは「とんでもない中学生が現れてしまった」「中3ということを抜きにしてもすごい!」「これは将来大物になる」と、大きな反響を呼んでいます。
さまざまなVFX技術を駆使しているだけでなく、映像全体の構成力も高く、十分にフィルムとしても楽しむことができます。クレジットを見ると音楽とテクスチャ素材以外全てが作者一人の手によって作られており、3DCG制作の技術もさることながら脚本や演出などのセンスも中学生とは思えないレベル。
作者の「38912 DIGITAL」さんに話を聞いたところ、最初に映像制作に興味を持ったのは、小学1年生のときに映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のVFXを見て感動したことがきっかけなのだそう。小学3年生のころには家のPCで映像編集や画像加工をはじめ、小学6年生になると、小学校の模型などを作り、街が壊れていく特撮映像も制作していたのだとか。その映像も見てみたい。
「Blender」に出会ったのはそんな小学6年生のころ。最初は使い方が分らなかったものの、モデリングや質感付けなど動画や本を参考に一つ一つ独学で身に付けたといいます。まさに好きこそものの上手なれというやつですね。
今後については、「学校なども忙しくなるのでしばらく公表できる作品が作れるかどうかは分かりませんが、趣味である映像制作は続けていきたいと考えています。まだまだ技術不足なのでこれからもさらに映像を学んで行けたらなと思います」と話してくれました。彼が日本を代表するクリエイターの一人になる日も、そう遠くないのかもしれません。
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