日本で8月19日公開予定の映画「ゴーストバスターズ」(関連記事)に出演している、女優でコメディエンヌのレスリー・ジョーンズがTwitter上で差別攻撃を受け、7月18日(現地時間)にTwitterを止めることを宣言しました。最後のツイートでジョーンズは、「涙と傷ついた心とともに今夜、Twitterを止めることにします。私が映画に出たことがすべての原因です。映画を嫌うのは自由だけど、今日私が受けた仕打ちはひどいものです」と傷付いた気持ちを吐露しています。
ジョーンズにTwitter上で投げかけられた差別は一線を越えるものでした。ジョーンズは差別ツイートをリツイートしながら、「彼女はスタイルがない。彼女は優雅さがない。レスリー(コング)は面白い顔は持っている」というツイートには「彼らにもお母さんや姉妹、叔母さんがいるんだと思うと悲しい気持ち」、彼女をゴリラに重ね合わせる画像には「ただ、理解できない」などコメントしていました。
今回リブートされた映画「ゴーストバスターズ」にはもともと、メンバーが全員女性ということに対してネガティブな意見も多く、アメリカで映画が公開されてからジョーンズに対しては差別的であったり彼女の容姿を揶揄(やゆ)したりするようなツイートがしばしばありました。当初ジョーンズは冷静を保ち気丈に振る舞っているように見えましたが、だんだんと傷ついた心を隠せなくなりTwitterを離れる決意をしたようです。
「なぜ多くの有名人がTwitterをやらないのか分かった」「私は特別なことを求めてきたわけじゃない、ただ自分の仕事に対してベストを尽くしてきただけ」「私は人種差別がないと思うほどバカじゃない。私がいなくなったあともあるかもしれない。でも私たちはもっと責任を持たなければ」と終盤のツイートでジョーンズは強気と疲労の入り混じった気持ちをにじませています。
さらになりすましアカウントがジョーンズのふりをして差別ツイートをするなど、彼女を疲弊させる出来事が相次ぎます。「お願い助けて! なりすましが私の名前でひどいことをしてる。助けて!」と平静を保てなくなることも。
あまりのひどさにゴーストバスターズのポール・フェイグ監督は「#LoveForLeslieJ」のハッシュタグとともに「レスリー・ジョーンズは私の知る中でも最も素晴らしい人のひとりです。彼女への攻撃は、私たち全員への攻撃です」とツイート。このハッシュタグはたちまち広がり、「美しく才能あふれるレスリー! 私たちはあなたを愛してる、あなたは素晴らしいわ」「彼女は愛すべき、親切で面白い人。こんな仕打ちを受けるべきじゃない。誰もこんなことすべきじゃない」など、ジョーンズを応援し、差別主義者を嫌悪するツイートが続出。
しかしその後ジョーンズはTwitterを離れる決断をし、いまだ最後のツイートから戻ってきていないもよう。一部の差別主義者がジョーンズに与えた傷が癒えるには少し静かな時間が必要かもしれません。
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