月末の金曜日は仕事を15時に終了し、空いた時間を買い物や食事など好きに過ごす「プレミアムフライデー」の実施を経済産業省が検討していることが、同省流通政策課への取材で分かりました。実施は来年2月から全国で、月1回か隔月ペースを予定。小売業界や飲食店業界など関係団体と引き続き協議を重ね、概要は固まり次第発表されます。
プレミアムフライデーは、落ち込んだ消費を喚起するための政策。今年2月の経済財政諮問会議で出た、米国の「ブラックフライデー」(感謝祭の翌日にあたる、一年に一度の大セール日)のような消費を促す日を作れないかという提案をもとに、同省が検討を進めてきました。10月17日にも流通関係の団体が集まる懇談会で、世耕弘成経済産業大臣が実施計画について触れていたといいます。
方法としては、同省がプレミアムフライデーにイベントを組み、百貨店や映画館、旅行代理店など各業界の賛同企業が足並みをそろえてプレミアムフライデーにちなんだ企画を展開します。コンセプトは安売りではなく、高価な商品やサービスを提供することで、いつもよりも贅沢(ぜいたく)な平日を満喫してもらうというもの。月末の金曜日という設定は、全国的に給料日として多い25日の直後にあたるため。高額商品の消費を、デフレの脱却につなげる狙いです。
プレミアムフライデーに業務を15時に終えるかどうかは、各企業に委ねられることになります。企業がイベントに意欲を示すようどう働きかけていくか、同省は業界と話し合いを重ねていきます。日本人が日も明るいうちに仕事を切り上げ、残りを贅沢に過ごす金曜日――なかなか想像し難い光景ですが、現実となるか見ものです。
(黒木貴啓)
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