河野太郎議員、大学の研究費が運用しにくいとの意見に「ほぼローカルルール」と一刀両断 「いかにやめさせるか真剣な検討が必要」
ほかにも多岐に渡る問題をとりあげ、意見を求めている。
大学の研究費にまつわる諸問題について、ブログで回答しつつ意見を求めていた(関連記事)、自民党の河野太郎議員が続きとなる3記事を公開。最新記事「もうちょっと研究者の皆様へ」で、研究費の使い勝手が悪いとの意見に「ほとんどローカルルール」と指摘し、一石を投じている。
コメントは一連の記事に寄せられた「英語の領収書が使えない」「海外で使用するためのPCを購入できない」といった、研究費が運用しにくいとする意見に回答したもの。河野議員はこれらのほとんどを「ローカルルール」と断じ、「いかにやめさせるか真剣な検討が必要」としている。
英語の領収書が使えない。 ローカルルールです。
外国で使うPCを買うことができない。 ローカルルールです。
研究相手に持っていく手土産を買えない。 買えません。自腹です。
インタビューや実験参加の謝礼を支払えない。 ローカルルールです。
海外から招へいした研究者との食事代を支払えない。 ローカルルールです。打ち合わせならできます。
PCが壊れたら、相見積をとらねばならず、即日買うことができない。 ローカルルールです。
しかし、こうしたローカルルールをいかにやめさせるか、真剣に検討しなければならないようです。文科省は何となく他人事のようですが、そもそも事務方の人事はいまだに文科省が関与していますので、他人事で済む話ではありません。(河野太郎議員)
さらに河野議員は「続々々研究者の皆様へ」「ちょっと研究者の皆様へ」といった一連の記事で、アカデミックハラスメント(アカハラ)や、大学が予算的に海外の学術誌を読めない問題など、新たな問題も提起。多岐に渡る問題に取り組み、広く意見を求める姿勢だ。
また、競争的資金のさまざまな書類に関しては、来年度からを目標に内閣府で統一を図るとのこと(関連記事)。ほかにも、これまで寄せられた意見に対し新たなデータを提示しつつ回答している。
(沓澤真二)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 基礎研究費は削られているか? 河野太郎議員、大学の研究費に関する諸問題にブログで回答 研究者に意見求める
「基礎研究への研究費が削られている」といった指摘に対し、データを明示して説明した。 - データとして役立たない「神エクセル」問題に解決の兆し 河野太郎議員が文科省へ全廃を指示
見ばえを優先してエクセルをワープロのように使った結果、データの再利用が困難な形式になった書類は、一部で「神エクセル」と呼ばれ批判されていました。 - 「とびだせ どうぶつの森」で海外の人と交流する滋賀大の講義が楽しそう 教授に開講意図を聞いた
ソフトの利点をうまく使った計画性の高い講義になっているもよう。 - 慶應ミスコンが主催団体の未成年飲酒により中止に 中野美奈子や竹内由恵など人気アナを輩出
企画運営団体「慶應義塾広告学研究会」が懇親会で未成年に飲酒させていたことから、大学が解散を命じたとのこと。 - 「股のぞき効果」研究で日本人がイグ・ノーベル賞 これで10年連続受賞
「天橋立」でやるあれの研究です。 - 落ちた食べ物は5秒で拾えばセーフ……なんてことはなかったぜ! 米大学「ときには細菌は1秒未満で移る」
「5秒ルール」があらためて否定される。