「病欠で代わりを探せなかったペナルティ」 セブン-イレブンで女子高生バイトに不当な減給、Twitterで発覚
Twitterで母親が不適切ではないかと疑問を呈し、注目を集めていた。
コンビニエンスストア「セブン‐イレブン」の加盟店の1つで、女子高生のアルバイト従業員から「病欠の際にシフトの代わりを見つけられなかったペナルティ」として9350円を減給していたことが、1月30日に判明した。セブン‐イレブン・ジャパンは労働基準法に違反するとして加盟店に返金を指示している。
違反があったのは東京都武蔵野市内にある店舗。アルバイト従業員は時給935円で25時間勤務し2万3375円の給料をもらうはずだったが、風邪で2日間休んだ際にシフトの代わりを見つけられなかったのを理由に、店長から10時間分の9350円を差し引かれた。すでに辞めていたため給料は現金で手渡されたが、給料明細の支給額は25時間分のままで、「ペナルティ 935円×10時間 ¥9350」と手書きした付せんが貼り付けられていたという。
26日にTwitterで従業員の母親が給料明細と付せんの写真を投稿し、減額について疑問を呈したところ、拡散され話題に(ツイートは削除済み)。ユーザーからは、従業員にシフトの代わりを探す責任が課せられていること、減給の額が大きいこと、給料明細に減給の事項が書かれていないことが、労働基準法に反するのではないかと指摘があがっていた。
セブン‐イレブン・ジャパンの親会社であるセブン&アイ・ホールディングスの広報センターによると、27日に母親からお客様相談センターに問い合わせがあり、その後Twitterで話題になっているのを把握したとのこと。30日に該当店舗に確認を取ったところ、店長の行為が発覚したという。
減給について労働基準法91条では「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」と定めており、9350円という金額は明らかに違反。またバイトのシフトの代わりを見つけるのはオーナーの仕事であるというのが同社の認識で、減給の理由もそもそも不適切だったとしている。
また同社のシステムで給料明細を作成する際、労働基準法に反した内容だとガードがかかって作成できない仕組みになっているとのこと。今回の給料明細に付せんを貼った行為は、店長の独断によるものだと説明した。
該当店については、元従業員とオーナーが面会して9350円を返金する予定。セブン&アイ・ホールディングスでは加盟店に法令違反があったことを周知徹底するとしている。
(黒木貴啓)
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