「しゃぶしゃぶ温野菜」めぐるブラックバイト問題 学生バイトへの暴行容疑で元従業員逮捕
昨年9月から続いていた「しゃぶしゃぶ温野菜」のバイトと店側のブラックバイト事案。11月28日に運営企業DWE JAPANの元従業員が逮捕されました。
飲食チェーン「しゃぶしゃぶ温野菜」の大学生アルバイトを殴ったり蹴ったりしたとして、11月28日にDWE JAPANの元従業員である53歳男性が暴行罪の容疑で千葉県警船橋東署に逮捕されました。いわゆる「ブラックバイト」問題で逮捕者が出たのは初とのこと。
被害にあったという元アルバイトの学生Aさんは昨年9月、122日間休み無しで働かされたり20万円以上の自腹購入を強いられたりしたとして、労働組合「ブラックバイトユニオン」の協力を得て、店舗を経営していたフランチャイズ加盟企業DWE JAPANと本部のレインズインターナショナルに対し団体交渉を申し入れていました(すでにフランチャイズは解約済み)(関連記事)。
今年6月には「殴る、首を絞めるなどの日常的暴行」「調理用包丁で胸や腕などを刺す」などの暴力行為も受けていたことを新たに告発。容疑者とその妻である元店長に対し殺人未遂・暴行・恐喝・脅迫の罪で同署に被害届を提出していました。また同時に、損害賠償などを求めてDWE JAPANを千葉地裁に提訴しています(関連記事)。
協力してきた「ブラックバイトユニオン」の坂倉昇平さんのTwitter(@magazine_posse)によると、すでに店長も事情聴取に応じているとのこと。「今回痛感したのは、学生がバイト先で暴力を受けたとしても、警察に動いてもらうのはかなりハードルが高いということ。今回も包丁で胸を刺したり首を絞めたり、他にも多数の暴力がありましたが、一部に限定することで逮捕に至りました」とコメントしています。
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「シフトが一方的に決められて授業に出られない」など、学業に支障をきたすバイトに立ち向かう。