「誰かにほめてもらえたら、きちんと聞くようにしてください。生きやすくなりますよ」――そう問いかける漫画がTwitterで共感を呼んでいます。
漫画家の大塚みちこさん(@mt_mitty)が2016年末、後輩のMさんから受けた指摘を描いた体験談。まず「自分に自信がないから、他人にほめてもらえても受け入れられない」と、大塚さんが語るシーンから始まります。「せっかくほめてくれているのに、自信のなさが上回って(そんなことないよと)自分で上書きしてしまう」……それめっちゃわかる。ほめ言葉が単なる社交辞令ではないか、裏の意図はないかと勘ぐってしまうやつ。
それに対し、「先輩の手、めっちゃキレイですね」と口を開くMさん。唐突なほめ言葉に戸惑う大塚さんへ、「人は自分の欠点は見つけられるのに、自分のいいところは自分で気づけない」「だから私は、人にほめてもらえたことは『ありがとう』と全部受け止めるようにしている」と語り続けます。
さらに「自分も知らない自分の魅力を、客観的に見た人が教えてくれているのだから、そういう自分を知っていたほうが生きやすくなります」と熱弁。つまり、自分の長所を知っていれば、向いている仕事などをがんばれるということ。この思考をMさんは「適材適所」の4文字でまとめています。
後輩の指摘に大塚さんはすっかり感服。「今までほめ言葉をシャットアウトしてきたから、何も私に残っていない」「もらった言葉を保存する“箱”が心の中になかった」と反省しています。そして大塚さんが手をほめられたことを心に刻むシーンに、「この日から私の中に箱ができました」との言葉が添えられて、漫画は締めくくられました。
2月26日夜に公開されたツイートには、約16時間で2万7000以上リツイートされる反響が。「思い当たる節がありすぎる」「私も箱を作りたい」「謙遜を美徳とする日本人はほめられるのが下手なので、大切な考え方」など、共感する意見も多く見られました。
ただ、「おせじの場合もあるから手放しで喜べない場合も」「箱を作ること自体に才能が必要かもしれない」といった悲観的な感想もあり、それもまた真実に思えます。それでも他人にほめられたら、いったん素直に受け止めるべきではないか、いろいろ考えさせられる漫画でした。
(沓澤真二)
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