JAF(日本自動車連盟)が、パワーウインドーによるはさみ込みの危険性に関する調査結果を発表しました。閉まる力を野菜でテストしたところ、大根やゴボウが簡単に切れたそうです。便利な装置ですが、正しく使わないと危険。
近年パワーウインドーの誤操作などで子どもの指や首がはさまれる事故が多発しており、なかには心肺停止に陥ったケースもあります。こうした背景を受けて、同団体は国民生活センターで調査を実施。軽自動車(ホンダ N-BOX)、セダン(トヨタ プリウス)、ミニバン(日産 セレナ)の3台を用い、はさみ込み防止装置の有無やその動作、スイッチを入れ続けたときの窓が閉まる力を調べました。
はさみ込み防止機能は、セダンのみすべての窓に付いており、ほか2車種は運転席のみ。閉まる力はセダンで7〜9kgf(※)、軽自動車で24.9〜27.7kgf、ミニバンで25.5〜34.6kgfと車種ごとに差が出ました。前述の野菜を使ったテストは、軽自動車とミニバンで行ったもの。
閉まりかけた窓を手で止められるか否かも検証。ミニバン後席右側の窓を実験台に、8歳男児、30代女性、50代男性をモニターとしてテストしました。片手と両手の2通りで試した結果、8歳児は両手でも窓を止められず、30代女性も片手では止められませんでした。50代男性は片手でも止めることができましたが、止めるのが精一杯で、下げることはできなかったとのことです。
なお、はさみ込み防止機能をチェックしたところ、締め切る直前の部分にはさみ込みを感知しない領域があったとのことで、同機能があっても油断はできないようです。JAFは検証結果をふまえ、子どもは窓などに手が届かないようチャイルドシートに乗せ、パワーウインドーのロックスイッチもオンにすべきなど、注意を呼びかけています。
(沓澤真二)
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