三鷹の森ジブリ美術館で企画展「食べるを描く。」が5月27日から2018年5月(予定)まで開催されます。一般公開に先駆け、5月26日には報道関係者向けの内覧会と、企画・監修を手掛けた宮崎吾朗さんなどによる展示の説明会が行われました。
会見ではまず、中島清文館長があいさつ。「食事のシーンを入れると映画が豊かになる」という宮崎駿監督の言葉を引用しつつ、展示を通してそうした面を感じとってほしいとコメント。続いて登壇した宮崎吾朗さんは、企画にあたり8つほど展示案があったと明かし、その中で「中島館長が『一番客が呼べる』と選んだのが今回の『食』に関する展示です」と、いきなりの冗談で会場を沸かせました。また、「個人的には『押井守展』とか面白そう」だと考えていたと告白。まさかの巨匠の名前に会場の笑いをさそいました。
会見で五郎さんは、「なぜスタジオジブリの作品、特に宮崎駿作品のご飯はおいしそうに見えるのか?」という命題についてスタッフと議論する中で、「実はアニメーションの技術そのものによっておいしそうに見せている」と気付いたそうです。また、作画の解説に注力するあまり内容が難しくなりすぎないよう、塩梅を注意したのだとか。このおかげで「サツキとメイの家の台所」や「タイガーモス号のキッチン」など、体験型の楽しい展示も登場しました。
企画展の入り口には、これまでジブリ作品に登場した料理のサンプルがずらり。パズーの「目玉焼きのせパン」やハクの「おにぎり」、メイの「とうもろこし」など、一気にジブリの世界観へと引き込んでくれます。
展示の第一室はレトロなレストラン風の内装。壁面のパネルでは印象的なシーンがどのようにして生まれたのか、コンテや原画の解説を通して分かりやすく教えてくれます。また、卓上の「メニュー」をめくると、そのまま展示の解説になっているというサプライズも。
続いて第二室では食事を「作る」シーンにフォーカス。草壁家(「となりのトトロ」)の台所とタイガーモス号(「天空の城ラピュタ」)の厨房が、本編さながらの精密さで再現されています。草壁家の天井には「まっくろくろすけ」と思しき黒いモワモワがあったり、タイガーモス号の厨房は引き出しを開けるとちゃんと調味料やパンがしまわれているなど、驚きの作り込み。
三鷹の森ジブリ美術館の入場は日時指定の予約制。チケットは全国のローソンで購入でき、夏休みシーズンの7月、8月のチケットは先行抽選販売も実施されます。7月入場分は5月25日〜5月31日に受付、8月入場分は6月25日〜6月30日に受付。インターネット、もしくは電話(0570-084-639)から申し込み可能です。
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