「依頼者の代わりに荷物を受け取るアルバイト」の相談件数が再び増えていると東京都消費生活総合センターが注意を呼びかけています。
SNSなどの投稿で見つけたアルバイト情報がきっかけとなるトラブルです。仕事内容は、自宅に届いた荷物を受け取って、そのまま指定の住所に転送するか、荷物を受け取りに来た人に渡すだけで1回数千円ほどの報酬がもらえるというものです。
言及されているのは、仕事を始める際に身分証明書の提示を求められるケース。自宅に届いた荷物を転送すれば報酬がもらえますが、実際に自宅に届いているのは、身分証明書が悪用され、自分名義で契約されたスマートフォンや通販で購入された健康食品などで、数カ月後に自分宛に請求書が届き、だまされていたことに気が付くというものです。その際にはアルバイト先には連絡が取れなくなっています。
2016年7月に国民生活センターが注意を呼びかけ、同年10月に事業者が逮捕されたことで、一時は相談が減っていましたが、東京都消費生活総合センターによると2017年5月から再び複数件の相談が寄せられているとのことです。
昨年の注意情報では、FacebookやInstagramなどのSNSがきっかけといわれていましたが、今回の注意喚起情報では地域コミュニティアプリにも気をつけるようにといわれています。
地域コミュニティアプリとは、地域情報の掲示板機能があり、直接会って不要品の売買をしたり、趣味の仲間を集めて地域で活動したり、得意なスキルを生かしたサービス提供で収入を得たりすることができるアプリのことです。代表的なサービスとしては「メルカリ アッテ」などがあげられます。
実際に同サービス内に荷物受け取り代行アルバイトの投稿を見つけることができました。こうした投稿が詐欺なのかは投稿だけでは判断できないのですが、国民生活センターは「荷物代行」「荷物転送」アルバイトは絶対にしないように呼びかけています。身分証明書を要求されることがあれば、さらに警戒したほうが良さそうです。
(高橋ホイコ)
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