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琉球列島において「サネカズラ」だと思われていた植物の中に別種が存在することが、神戸大学大学院理学研究科の末次健司特命講師らの研究によって明らかになりました。
和名「リュウキュウサネカズラ」と命名されたこの別種は1917年に台湾で発見されたもので、不正確な報告により暫定的にサネカズラと同種とされていた植物。今回、およそ100年ぶりに発見された個体を含め詳しく検討することで、別種であることを証明しました。
きっかけは、在野の植物研究家である当真嗣尊氏が、通常「赤色」のサネカズラの雄しべの集合体が沖縄産では「黄色」が多いことに気づいたことから。
この報告を受けた末次健司特命講師はその後、台湾の研究者含む他大学の教授らとともに琉球列島や台湾の標本を精査。すると、雄しべの葯(やく ※花粉が入った袋)の並びにも違いが見られ、雄花の花形態で明瞭に区別できる個体があることを発見しました。
発表では、未発見の植物が見つかることは1年で数えるほどしかなく非常に珍しいことだと今回の発見の意義を述べ、また新発見が相次いでいる「やんばるの森」(沖縄県)の重要性についても説いています。
(宮原れい)
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