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「調子に乗るな」「偽善」「不謹慎だ」――。ブログやTwitterなどでのちょっとした発言から批判的な意見が一斉に集中する“炎上”がどのように起きるのか、またどういった形で拡散されていくのか。ネットを500日間常時監視して分析したデータを元にNHKが実態を調査した番組、「クローズアップ現代+ “ネット炎上”追跡500日」が11月に放送予定となっています。
スタッフによる分析の結果で判明したのは、多くの一般人が被害者になっているという事実でした。炎上したケースを職業別のグラフでみると一般人が27.6%と1番高く、二番目に多かったのが政治家・自治体の20.8%となっています。また、まとめサイトを含むネットメディアやテレビが“炎上事例”として取り上げることでさらに加速・拡大するという指摘も。
炎上のメカニズムについて詳しい山口講師によると、ある研究では炎上を認知する経路としてもっとも多いのはテレビのバラエティ番組というデータもあるそうです。その数はおよそ60%程度にのぼり、同研究におけるTwitterからの認知(23%)を大きく上回るとのこと。
一時期は「火のないところに煙は立たない」といわれていたネットの“炎上”現象ですが、スマイリーキクチさん事件のようなデマ・事実誤認やなりすまし事例なども多々見受けられています。彼が「“リツイートしただけ”は“借金の保証人になっただけ”と言ってるのと同じ」と語るように、その拡散は本当に必要なのか・本当に「火のないところに煙は立たない」のか、あらためて考えさせられることになりそうです。
(大里ミチル)
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