パナソニックが準公道で初の自動運転車実験 自治体が協力、鉄道廃線跡地の道6キロを実験用に整備
鉄道廃線跡地の遊歩道「永平寺参ろーど」で実施。限界集落対策の有効性検証も。
福井県、福井県永平寺町、パナソニックが共同で、実際の街中で行う自動運転車の実証実験を2017年10月に開始しました。永平寺町にある全長約6キロの道路「永平寺参ろーど」を使い、自動運転車によるモビリティサービスの実用化に向けた実験が11月17日まで行われます。
永平寺参ろーどは、廃線となった京福電気鉄道永平寺線の跡地を遊歩道に再整備した道路で、えちぜん鉄道の永平寺口駅と大本山永平寺を結んでいます。永平寺町は、県の支援と国の地方創生拠点整備交付金を活用し、この永平寺参ろーどを自動運転車の実証実験用に整備しました。産業技術総合研究所による「専用空間における自動走行等を活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証端末交通システムの実証評価地域」の1つに選定されています。
永平寺参ろーどの周囲には大本山永平寺や少子高齢化が進んでいる集落があります。前述したように永平寺線が廃線となったことから、交通手段の確保に大きな課題を抱えています。県と町は、地域の課題と需要に対応できる自動運転車によるモビリティサービス(自動運転EVコミューター)の実現に大きな期待を寄せています。
技術提供と検証を担当するパナソニックは、これまで同社内の車両試験場(神奈川県横浜市)や京阪奈地区構内(京都府相楽郡精華町)、門真地区構内(大阪府門真市)で検証を重ねてきた自動運転技術を、今回、公道に準じた環境へはじめて投入しました。
本年度(11月17日まで)は、自動運転EVコミューターの試験車を永平寺参ろーどの一部で実際に走らせて「近接する樹木や家屋、高架下などがある生活に密着した道路で自社位置測位やカメラ検知が正しく動作するか」「障害物の回避や道路脇からの歩行者侵入に対して、適切に車体を制御できるか」「遠隔操作する車両管制システムが正しく動作するか」などを検証。次年度(2018年4月)以降、永平寺参ろーどの全線を使った走行実験に踏みきり、自動運転EVコミューターの実用化を目指します。
なお、産業技術総合研究所による自動走行を踏まえた新世代交通システムの実証評価地域には、永平寺町のほかに石川県輪島市と沖縄県北谷町(小型EV車両応用型)、茨城県日立市(小型バス応用型)が選定されています。例えば日立市では、日立電鉄線の跡地をバス専用道路にして運行する「ひたちBRT(Bus Rapid Transit)」を自動運転に対応した車両で実証実験を行うとしています。
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昨年11月の事故を受けてとのこと。