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「パーソナルモビリティ」とは? 多分、ぼくらが20〜30年後くらいにお世話になっている乗りもの(2/3 ページ)

自動運転の技術は社会をどう良くしていくのでしょう。「パーソナルモビリティ」と呼ばれていた乗りものが、意外と分かりやすく私たちの近未来と社会の在り方を提案していました。

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一緒に出掛けるのが楽しくなりそう──2人乗り電動カート「Honda ふれモビ Concept」

 本田技研工業(ホンダ)は、今回の東京モーターショー2017で複数のパーソナルモビリティを展示していました。その1つが2人乗りの電動カート「Honda ふれモビ Concept」です。

photo 現状の電動カートサイズの車体サイズで2人乗車できるようにした「Honda ふれモビ Concept」。簡単に2人乗りできる工夫によって、パートナーへの負担や遠慮、そして自身の口には出せないガマンを軽減できると期待されています
[TMS2017] Honda ふれモビ Concept(YouTube/本田技研工業株式会社)

 Honda ふれモビ Conceptは、これまでの電動カート1台分のサイズで2人乗れるようにしたものです。1人は座って、もう1人は後ろに立って乗るスタイルです。自分1人ではなく「パートナーと一緒に、気兼ねなく移動できるように」という意図を込めているそうです。

 例えば、老夫婦のどちらかが車椅子を押しているような「老老介護」のシーンをよく見かけます。「気兼ねなく」一緒に楽しく出掛けたい──。パートナーを気遣って口には出さずにガマンしたり、遠慮してしまう心理状況は、介護の現場では想像以上にあるとホンダの説明員は述べます。こういったことも、近未来の乗りものの力で解決できそうです。

スーパーの店内も、坂道もスイスイと“歩ける”──「Honda チェアモビ Concept」

 もう1つは、“歩くように移動する”ことにこだわった、1人乗りの電動モビリティ「Honda チェアモビ Concept」です。

photo “歩くように移動できる”の実現を目指す「Honda チェアモビ Concept」
[TMS2017] Honda チェアモビ Concept(YouTube/本田技研工業株式会社)

 Honda チェアモビ Conceptは、バーなどにある昇降式スツールのような椅子にタイヤを付けたような小型の車体が特長です。座席がやや高い位置に自動調整されることで、目線が立っているときと同じ位置になります。

 ポイントは、「並んで歩くパートナーと目線が同じになる」ことと、「その場で回転できるくらいに小回りがきく」ことです。この仕様も、前述した「ふれモビ Concept」と同様に、パートナーと一緒に外出したり、少し狭いスーパーやコンビニで買い物したりするときに、「“自分は迷惑を掛けているのではないか”などと心配してしまう心理状況を一掃したい」とする思いが込められています。

3輪バイクの技術を生かした、立ち乗りスタイルの3輪EV「TRITOWN」

 ヤマハ発動機からは、3輪バイク「TRICITY」で採用された「LMW(Leaning Multi Wheels)」技術を応用した個人向けの立ち乗り型3輪EV「TRITOWN」が展示されました。

photo 立ち乗り型の3輪車「TRITOWN」
TRITOWN / The 45th Tokyo Motor Show 2017(YouTube/ヤマハ発動機公式チャンネル)

 TRITOWNは、3輪の安定感を保ったまま体重移動でスイスイ乗れるパーソナルモビリティです。そのまま自立できるので、乗ったまま静止もできます。「まるで自分の足のような一体感が味わえる」乗り心地を目指しているそうです。



 自動運転技術の進展は、この先の社会の在り方も変えるはずです。鍵は「その場、その時のその人のために」「心理状況などまで認知してごく自然に制御すること」と、あるブースの開発者は述べていました。自動運転車だけではなく、20年、30年後の私たち自身が普通に使っているかもしれない「パーソナルモビリティ」もじわじわと身近になってきそうな近未来の1つといえそうです。

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