11月29日発売の「週刊少年サンデー」1号で、人気マンガ「名探偵コナン」の2018年劇場作品(第22弾)の情報が明らかになりました。タイトルは「ゼロの執行人(しっこうにん)」。
公開されたキービジュアルの中心に立つのは安室透(降谷零)。コナンら少年探偵団の面々と、涙をこぼす蘭、そして黒田管理官が描かれています。
キャッチフレーズは「それが、お前の真実か――」と非常に意味ありげ。「ゼロの執行人」はどのような作品になるのか、解禁された新情報をファンはどう見るのか? 「名探偵コナン」シリーズの大ファンである赤いシャムネコさんに話を聞きました。
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――「名探偵コナン」劇場版の新情報が解禁されました。第22弾のタイトルは「ゼロの執行人」。安室がメインの作品です。
17年公開の「から紅の恋歌(ラブレター)」の最後に流れた予告から、18年は安室メイン回であると示されていました。予告映像は、上空から日本列島を映し、「5、4、3、2、1……」とカウントダウンが表示。安室役の古谷徹さんが「ゼロ」と告げるとともに、電気が一斉に消える――という演出。「ゼロ」は安室の幼い頃のあだ名であり、かつ現在の彼が所属する公安警察の俗称でもありますから、ファンからは「安室にフィーチャーした作品になるだろう」という期待が寄せられていました。
――16年の「純黒の悪夢(ナイトメア)」も安室がかなり大きく扱われていました。
そうですね。ただ「純黒の悪夢」は、安室だけではなく、赤井にもスポットが当たり、黒の組織の一員・キュラソーをメインにした物語となっていました。安室単独でメインになるのは初めてです。
――今回発表になったタイトルについての感想をお願いします。
事前にタイトルが「○゛○の○o○○○ん」と小出しで明かされていて、ファンの間では予想が活発に交わされていました。「ゼロ」は確定として、後半の6文字をどう予想するか。去年も同様の試みがされていて、けっこう当てた人も多かったんですよね。「デッドライン」などが有力でしたが、「執行人(しっこうにん)」と来たか……という気分です。
――ライトファンとしては、劇場版のコナンは「から紅の恋歌(ラブレター)」や「迷宮の十字路(クロスロード)」といった、漢字にカッコいいルビがついているイメージでした。今回はルビがないんですね。
劇場版コナン=ルビのイメージを持っている人は多いですが、実は初期の頃の「時計仕掛けの摩天楼」「世紀末の魔術師」「瞳の中の暗殺者」「天国へのカウントダウン」にはルビがないんですよ。伝統になったのは6作目の「ベイカー街(ストリート)の亡霊」からになります。
――それ以降はずっとルビがついているんですか?
いえ、16作目の「11人目のストライカー」でルビの法則は破られました。ファンとしては動揺しつつも「でもカタカナだから……」と思っていたのですが、19作目「業火の向日葵」でまたも破られます。ギリギリまで「業火(インフェルノ)の向日葵か!? それとも業火の向日葵(サンフラワー)か!?」とザワザワしていましたが、最終的に「業火の向日葵(ごうかのひまわり)」だったときの衝撃は大きかった。ルビなしのタイトルは「ゼロの執行人」で7作目になります。
――約30%がルビなしということになるので、イメージよりも多いですね。
でも、ルビがあるタイトルは本当にカッコいいんですよ……。「このルビは予測できねぇよ!」と思ったトップ3のタイトルを発表していいですか? 3位、「沈黙の15分(クォーター)」。カッコいいですね。2位、「絶海の探偵(プライベート・アイ)」。そう来たか〜という感じでしょう。そして1位は「紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)」。100回生まれ変わってもこのルビを予測できない……と感服しました。
――同時に公開された原作者の青山剛昌先生描き下ろしのキービジュアルについてはいかがでしょう。
まず……使われている色が「緑」というところがいいですね。線の色が緑なのは珍しいんです。
――緑なのは何か意味が……?
カラーは作品のトーンを表していることが多いです。緑系の色が使われているのは「天空の難破船(ロストシップ)」に「水平線上の陰謀(ストラテジー)」と名作が多い。そのため本作にも否応なく期待が高まります。
一般的に一番ポイントになっているのは、キーパーソンとして描かれている黒田管理官。彼は現在連載中のマンガ本編で、黒の組織のナンバー2「RUM(ラム)」ではないか? という疑いが掛けられています。安室のもう1つの顔である「バーボン」との関連から、黒の組織ものになる可能性もあるかもしれません。
劇場版コナンは青山先生と緊密にタッグを組んで作られており、過去作では連載よりも先に重大な事実を明かしたこともありました。もしかしたら公開直前にラムの正体が連載で明かされるか、あるいは映画で明かされるのかも……とドキドキしています。
あとは、キャッチコピーも気になります。「それが、お前の真実か――」ですが、一体誰のセリフなのか? キービジュアルに登場しているキャラだと、コナンや黒田管理官は相手を「お前」と呼びます。安室も普段は丁寧な言葉遣いですが、状況によっては「お前」を使うことがある。現時点はまだセリフの主を特定することはできなそうです。
――本作の注目ポイントを予想(妄想)してください。
キービジュアルの背景を見てください。おそらく描かれているのは電気が消えた街並み。そして塔のシルエットは、「東都タワー」と「ベルツリータワー」でしょう。これらはそれぞれ「漆黒の追跡者(チェイサー)」と「異次元の狙撃手(スナイパー)」に登場しており、だいたい停電しています。
――爆破はしない?
倒壊するような爆破はしません。電気が消えたり狙撃されたりはしますが。
――ストーリーも公開されました。「東京サミットの会場を狙った大規模爆破事件を発端に、探偵であるコナンと公安警察が真っ向衝突するストーリー」。安室が敵ポジションに回るようですね。
マジかよ! という気分ですね。 東京サミットが舞台、というハードな設定がアツい。今回脚本家として選ばれた櫻井武晴さんは「絶海の探偵」でもイージス艦を舞台に国家レベルの危機や組織の動きを描いており、その流れを感じます。
さらに劇場版コナンファンとして感無量なのは、東京湾の新施設「エッジ・オブ・オーシャン」の大規模爆破事件から幕を開けること。
劇場版2作目の「14番目の標的(ターゲット)」のラストでは、東京湾の海上娯楽施設・アクアクリスタルが爆破されました。東京湾の新施設といえば、クライマックスで爆破されるレベルの建物。それから20年を経た今作では、開始早々爆破される。それも「大規模爆破」と来たら、一体ラストではどんなすごい爆破が待っているのか? 純粋な爆破ものだとすると、サッカースタジアムの連続爆破事件を扱った「11人目のストライカー」ぶり。楽しみで仕方ありません。
ただ、17年の「から紅の恋歌」は爆破ものとして売り出しはしなかったものの、爆破の量・質ともにクオリティーが高かった。前作の爆破を超えられるかどうかは少し心配です。
――そういえば、コナンの犯人って、どうやってあれだけの爆薬を用意しているんでしょうか?
金の力では?
――はい……。18年4月13日の全国公開が楽しみですね。最後に、第22弾への期待を教えてください!
劇場版コナンは10回は楽しめるんですよ。まず、その年の映画の最後に流れる制作決定映像。次の年のコナンのヒントになるようなフレーズに、めちゃくちゃ興奮するわけです。それから半年ほど経って11月末ごろになると、青山先生のキービジュアルとタイトルが発表され、またテンションが上がります。
そのあとあまり間をあけずにやって来るのは特報映像。ここまでくるとかなり作品の内容が明らかになってきて、「今年の爆破はよさそう」「ミステリー要素が強そう」「大きな爆破は合わせて2回かな……」などの予想が立てられるようになります。ちなみに特報映像は時々「実際の本編では使われなかったシーン」などがあるので、映画公開後にも楽しめるというお得仕様。これから公開日までワクワクさせてもらいます!
(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
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