2ちゃんねるには2003年には書き込まれていた
谷出氏の話でも、Wikipedia「お祈りメール」の情報(執筆時点)でも、「起源は2ちゃんねるでは?」とあります。「お祈りメール」の始まりを見つけるべく、2ちゃんねるの過去ログをひたすらあさっていきました。
2ちゃんねるを見ていて目につくのは「【供養】お祈りメールを晒すスレ」「不採用通知を晒すスレ」というスレッド。就活生が、各企業の不採用通知メールを張り付けるスレッドが存在するのです。
ざっと見ていくと、ほとんどの不採用通知がお祈り文で締めくくられています。こうして並べられると「本当にみんな祈ってるんだな」ということが実感できます。ちなみに2ちゃんねるより新しそうではありましたが、mixiなど他のSNSなどにも不採用通知(お祈りメール)を張っていく掲示板はありました。
さて、「お祈りメール」という言葉が2ちゃんねるで最初に使われたのはいつなのでしょうか。見つけられた範囲内では、最古のものは2004年7月の「先日お祈りメールが来た」という書き込みでした。この時点で、特に言葉が作られた瞬間という感じでもなく、普通に通じる言葉として書かれているようです。ということは、誕生したのは2004年以前ということになります。
では、「祈られた」ではどうでしょう? こちらは最古の書き込みは「お祈りメール」よりも古い2002年11月。同じスレッドで3回使われています。このやりとりから2002年には、少なくとも2ちゃんねるのこの掲示板では通じる言葉となっていたようです。
聞きこみ調査を実施 やはり2003年頃に生まれている?
就職した年はばらばらな知人66人に「就活中、『お祈りメール』という言葉がありましたか?」という質問をしてみました。
その結果、「お祈りメール」という言葉があったと答えた最古は2004年就職の2名。2004年就職なので、就職活動をしていた時期は主として2003年かと思われます。
「あった」という回答に分類しましたが、2人とも「祈られた」とか、それに似た表現ならあった気がするということでした。2017年就職の人は「お祈りメールは、もはや動詞化して『さっき祈られたわー』と使ってました」と教えてくれましたが、実際には「祈られた」の方が先に生まれていそうです。
2014年就職の2人は、どこでこの言葉を使っていたか記憶は定かではないそうですが、日常会話ではなくネット上で見かけた気がするとのこと。例えば「(2ちゃんねるではない)匿名掲示板をチャット代わりに使っていたので、そこかなぁ?」という感じです。就活の情報交換はいろいろなところでしていて、前述のみん就を使っていたり、2ちゃんねるも見ていたかもしれないとのこと。
ここまでの情報から総合的に考えると、「お祈りメール」「祈られた」などの表現が生まれたのは2000年代前半。具体的には「2002〜2003年頃」というのが有力な説だと言えそうです。
では、この言葉が生まれた2000年代前半には、一体何があったのでしょうか?
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