特定非営利活動法人若手層アニメ制作者を応援する会(AEYAC)が、「若年層アニメーター生活実態調査」の結果速報版を公開しました。若年層アニメーターの約半数が家族から何らかの経済的援助を受けて働いている、厳しい状況が明らかになっています。
同調査は、経験年数3年以内のアニメーター44人を対象に、労働条件、奨学金返済の状況、居住形態、通勤時間などをインターネット調査で尋ねたもの。回答者の平均年齢は23.2歳、平均経験年月数1年5カ月です。
まず「居住形態・生活実態」について、実家暮らしと回答した者は12人、実家暮らしでないと回答した者は32人でした。実家暮らしの12人の内、11人は「主な家計支持者ではない」(世帯の主たる稼ぎ手ではない)と回答し、実家暮らしではない32人の内11人が実家から仕送りを受けながら生活していると回答しました。
つまり、実家暮らし12人+実家暮らしではないが仕送りを受けている11人の計23人、全体の52%の回答者が家族から何らかの経済的援助を受けながら働いているということになります。また、実家暮らしではない者のうち19人は生活のために貯金を切り崩したことがあると回答し、実家暮らしでない者のうちの10人は貯金がないと回答しました。
また、このような厳しい状況に加え、14人が学生時代に奨学金を借りていたかの質問に対して「借りていた」と回答しています。全体の約3分の1が奨学金返済義務を負っているもよう。
AEYACは、「若年層のアニメ制作者」を対象として、キャリア形成とスキルアップを応援する事業を行う団体。未来を担うアニメ制作者を育むことで、日本のアニメ文化・アニメ産業の発展に寄与することを目指しています。2016年5月18日に設立。なお、今回の発表はポイントとなる部分のみで、調査全体の結果については2018年3月に報告書としてあらためて発表する予定とのことです。
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