1月25日に匿名質問サービス「Peing−質問箱」の利用規約が変更されたの際し、「運営側がユーザーのコンテンツを無償で自由に利用できるよう変更がなされた」とのうわさがTwitterで広がっています。
運営元のジラフに確認したところ、該当の項目は当初から明記してあったもので、今回手を加えたものではないと否定。「ユーザーのコンテンツを広告・取材対応に無断使用することはない」と弁明した上で、現在項目を修正するべきかどうか弁護士と相談中だと説明しました。
うわさが拡散した経緯
「Peing−質問箱」はTwitterアカウントなどで固有の「質問箱」のページを作り、匿名の質問を受け付けて回答を公開するサービス。2017年11月22日に個人事業主のせせり氏がローンチし、1カ月で2億PV(ページビュー)を達成するなど人気を博した後、12月21日にWeb企業のジラフが事業を譲受しました(関連記事)。
うわさが広まったのは、1月25日に運営が利用規約の変更を発表した翌日。Twitterの一般ユーザーが、規約のスクリーンショット画像を添付しながら、「質問箱の規約が変わって運営側がすべてのコンテンツ(質問と回答含めて)についてを無償で自由に利用できるという事になったようですので、退会します(中略)使い勝手はとても良かったので残念。開発者の方は素晴らしかったのに、譲渡先が最悪」とツイートしました。
指摘があったのは第8条「投稿したデータの権利」の第2項で、以下の通り。
2.本サービスにおいて、ユーザーが投稿その他送信を行ったコンテンツについては、当社において、無償で自由に利用(複製、複写、改変、第三者への再許諾その他のあらゆる利用を含みます。)することができるものとします。
運営がこの項目を新たに規約に加えたという誤解がTwitterでは生じ、上記のツイートは2万回以上リツイートされるなど話題に。1月18日には「Peing - 質問箱」公式Twitterが不適切な投稿から活動自粛を発表する事態が発生していたことから(関連記事)、運営に対し不信感が広がりました。
指摘箇所はもともと明記してあった
ジラフの担当者に確認したところ、25日に変更があったのは主に第3条であり、第8条は事業譲受後に発表したものから全く変わっていないとのこと。1月30日にリリースする予定の新機能に伴う変更だったと説明しています。
そもそもなぜ第8条2項の内容を利用規約に明記していたかについては、次のように話します。
「弊社としてはユーザー様のコンテンツの二次利用は、『Peing−質問箱』のサービスを取材などで紹介するにあたって、『こういう風な面白い質問や回答があります』など使用例として提示するのを想定していました。しかし無断で投稿を利用すると気分を害される方もいると考えられますので、実際に広告や取材対応に使う場合はあらかじめ本人の許諾を得るつもりです」
また一般的なWebサービスには同様の利用規約が盛り込まれているもので、「Peing−質問箱」もこれに倣ったと説明。公式Twitterアカウント(@Peing_net)でも、Twitterの利用規約に同じような権利の譲渡の項目があると紹介していました。
「今回、話題になったツイートの投稿主がどういう意図で投稿したのかはわかりませんが、受け止めるべきところは受け止め、もし規約の変更も必要ならしていくべきだと考えております。ただいま第8条については、修正すべきかどうか弁護士と相談中です。今後もより多くの方々にお楽しみいただけるよう、ご質問やご指摘に対し対応に務めていきます」
(黒木貴啓)
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大きな変更です。