スタンダードなPCのキーボードには、100個超のキーが設置されています。これだけ多いと、仕事などで日々使っている人でも「何の役に立つのか分からないキー」があるものです。きっと心当たりがあるはずですよ、「Scroll Lock」とか「Pause/Break」とか。
今回は、そんなキーボードの“いらないキー”たちの機能をご紹介。使い方を頭に入れておくと意外と便利……かもしれません。
Insert
PCの文字入力には2つのモードがあり、ざっくり言うと「挿入入力」モードがいつもの状態。「上書き入力」モードでは文の途中から文字入力するとき、既存の文字を上書きされます。Insertキーでは、このモード切り替えが行えます。
上書きモードだと古い入力内容を消す手間が省けるものの、新しい入力内容と文字数が合わないと「お願いします。ます」のように中途半端に残ったり、残すべき部分まで消えてしまったりするのが難点。書き換え前後で文字数が変わらない場合、例えば、郵便番号の書き換えなどに使うと便利だとか。
Pause/Break
もともとはプログラムの中断などに使われており、現在でもBIOSの一時停止などに利用可能。しかし、使用頻度が低過ぎるためか、MicrosoftのWebサイト上では「このキーはほとんど使用しません」と明言されています。
Scroll Lock
Scroll Lockに対応したソフトはかなり少なく、ほとんど使う機会がないはず。一応、「Excel」では「カーソルキーの操作時に、選択セルが動く/画面が動く」という切り替えに使えます。
ただし、カーソルキーとマウスを併用すれば同様の操作が実現できるので、Scroll Lockなしでもそこまで困らないかも。
SysRq
SysRqキーは2013年、NTTレゾナントによる「実はイマイチ使いどころがわからないWindowsのキー」ランキングで1位を獲得。確かにWindowsではあまり使い道がないのですが、Linuxの場合、他のキーと組み合わせることでシステムのリブート、メモリ情報の表示などが可能です。カーネル開発のデバッグ、フリーズ時の再起動といった場面で利用できます。
なお、SysRqは「System Request/システムリクエスト」の略。もともとはシステム要求のために使われていました。
Wake Up/Sleep/Power
一部キーボードで横一列に配置されている「Wake Up」「Sleep」「Power」という3種のキー。Sleepキーはスリープ状態への移行、Wake Upキーはそこからの復帰に使用できます。
また、Powerキーを押すとPCをシャットダウンできるのですが、作業中に手が滑ってうっかり押してしまうと、保存前のデータが消えることから「自爆スイッチ」「自爆ボタン」などと呼ばれることも。
だけど、本当は“いらないキー”なんてないはず
これらのキーは、ノートPCなどに搭載されているコンパクトなキーボードにはそもそも設置されていないことすらあり、悲しい扱いを受けています。明らかに他のキーに比べて使用頻度が低いため、当然といえば当然の対応かもしれません。
しかし、メーカーのサポートページなどを見ると、代わりにキーボードショートカットを使った入力方法などが紹介されていることも。あなたが苦手なあの人にも家族や友達がいるように、あなたにとっては“いらないキー”を必要としている人もどこかにいるのです、たぶん。
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