「転職を決意して実行した時の経緯とか思い出話」と題し、転職の経緯、自分の心の守り方について触れた漫画に反響が集まっています。まふ韻(Mafuin)(@mafu9768)さんが実体験をつづったもので、残業が続き、上司や同僚に相談できず、心がどんどん追い詰められてしまう状況が描かれています。
過労死問題が話題になっていたころ、SNSには長時間労働の体験談があふれ、まふ韻さんは、それらの記事を読む度に「死んでも仕方ないラインがこのくらいの就業時間と内容なら、私が今程度の仕事でしんどいなんて言っちゃ贅沢すぎてダメだな……」とガチで考えていたといいます。
毎日朝6時台に家を出て、残業は月25時間程度、通勤は満員電車だったけれど終電で帰ることはほぼない生活。それをごく一般的な状況だと思っていたまふ韻さんは、心と体に余裕がなくアクセル全開で働いていても「あのニュースよりまし」と思いながら、しんどさを意識しないようにしていたといいます。
仕事は常に時間に追われ、とにかく仕事をこなし、上司に相談すれば「何故わからない?」「どうすればわかる?」という言葉が連なり、言葉自体は至極真っ当でも、自分を否定されているようでつらさを感じていたそうです。同僚に相談してもさらに倍で愚痴り返されるので、心を開けなかったというまふ韻さん。
仕事から帰って家事をして、息抜きにスマホかPCを開く。うつ病だと趣味に関心を示さなくなるという定説を知っていたので、好きな音楽のことを考えれば気が晴れる自分は大丈夫だと思っていた……けれど、やがて睡眠時間が4〜5時間になり、化粧をしなくなり、身なりを気にしなくなり、週に数回は職場の最寄り駅に着くと吐き下すようになってしまいます。それでも、自分のことを「そんな大した苦労もしてないのに、うつでもないのに悲劇のヒロイン気取りだ」と感じていたのだそうです。
そしてある朝、電車内で周囲に暴言を吐き、怒鳴り散らすおじさんによって、突然スイッチがONに。
「死ね」「殺す」というおじさんの言葉に反応してしまい「そっか、死ななきゃ」と思い、職場に着くまで「しななきゃ」と呟いていたというまふ韻さん。それがきっかけで自分に限界がきていることに気づき、会社を辞めることを決意できました。「他と比べることで自分の状態を見失わないように気をつけてね」と言いたかったと結んでいます。
「私なんてまだまだ」「もっと大変な人はいる」「自分が弱いだけかも」。今の時代、色々な情報を得ることができるからこそ、誰かと比べて自分を見つめるのを忘れてしまうことって、結構あるのではないでしょうか。頑張ること、耐えることは大切なことではありますが、それは健やかな心と体があってのこと。自分はほかの誰でもありません。自分の体や心が苦しいと感じたら、それは一度立ち止まって、この状況を続けるのかどうか考えたり、誰かの意見を聞いてみたりすることが必要なタイミングなのかもしれません。
画像提供:まふ韻(Mafuin)(@mafu9768)さん
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