いとこの過労死の経験を描いた漫画がTwitterに掲載され、話題となっています。
漫画を掲載したのはイラストレーター兼ライターのテンジク(@ikinariTenjiku)さん。大手居酒屋チェーンで店長をしていたいとこは1カ月前、1人で開店準備をしていた時に倒れ、死亡しました。いとこは多くの人に愛される人柄で葬儀にはたくさんの人が訪れましたが、いとこのスマホに残っていたLINEの記録を見て、テンジクさんはその勤務状況にゾッとしたそうです。
いとこは、15時から翌朝3時までの勤務で、帰れるのは6時台の始発を待ってから。8時前に帰宅して12時には起きるという生活を繰り返していたようです。会話の最後には「地獄です」と書いてあったとのこと。
その会社は以前にも過労死者を出していました。しかし、いとこのLINEには「一ヶ月以上休めていません」というやりとりも残っており、テンジクさんは「改善したのは労働環境の改善ではなく、いかに労働基準法に触れずに従業員を酷使するかという対策だけなのではないか」「週休2日を取らせていたら、何してもいいの?」と疑問を感じはじめます。そして、このことがきっかけで自身の調子も崩し、いつもの自分ではない感覚におそわれてしまいます。
遺族がいつまでも悲しまず、笑って楽しそうに過ごすことが一番の供養になると旅行に出かけますが、いとこが働いていた居酒屋は全国展開のチェーン店。旅行先の駅周辺では必ず系列店の看板が目に入り、そのたびにチクっと心が痛くなり、涙が出るようになってしまったそうです。
漫画を公開したのは、こういうこともあるのだと多くの人に知ってもらい、いとこのような死に方をする人が1人でも減ってほしいという思いがあったから。ブログ「いきなりテンジク」ではより詳細な経緯やテンジクさんの心情などもつづられています。
テンジクさんは、過労死が疑われ死因不明の場合は解剖をするよう勧めています。また、過酷な労働状況下にある人には「生きろ。逃げろ」とアドバイスを送っています。
(高橋ホイコ)
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