「海賊版という認識なかった」 Anitubeに毎月広告費1300万円を支払っていた代理店が取材に応じた(2/2 ページ)
Anitubeの運営者が起訴されていたことも分かりました。
漫画村問題で注目を集めた裏広告
漫画村問題の露見とともに注目されているのが「裏広告」です。裏広告は2016年前後に「アドフラウド」という名前で話題になったもので、ユーザーが見られるページの表面には何の広告も表示されていないのに、管理者モードなどで確認してみると、ページ内に“見えない広告”が表示されている状態を指します。
4月18日に放送されたNHK クローズアップ現代+「追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト」で、漫画村でも裏広告が存在していたと取り上げられると、「実際には表示されていない広告に広告料が支払われていたのでは」とする疑惑が持ちあがり、詐欺にあたるのではないかと物議をかもしています。
関係者に「裏広告は誰が仕込んでいるのか」を聞いてみたところ、主にはメディア側(海賊版サイトなど)だろうとの回答。広告代理店側が裏広告に関与していたとなると出稿企業からの信用をなくしてしまうため、積極的に裏広告を出すことは考えにくいとのことでした。
Anitubeの運営者、現地で起訴されていた
また一連の取材の過程で、2016年に日本のアニメ制作会社がブラジル・ウベルランジア警察に対して、Anitubeに関する権利侵害の告発を行っていたことが分かりました。コンテンツ海外流通促進機構CODAによると、運営者は2017年10月4日に現地の刑事裁判所へ起訴されたとのこと。5月8日時点ではまだ公判は開かれていない状態ですが、起訴後もサイトが閲覧できない状態になった4月16日ごろまで更新を続けるなど、悪質性は高いとみられます。
またAnitubeと同じくサイトブロッキングの名指しを受けた動画サイト「MioMio」についても、運営者が中国・国家版権局により特定されているとCODAは述べています。権利者によりすでに投訴(陳情のこと)が行われており、日本の関係機関は情報開示を求めているとのことです。
ねとらぼ編集部では引き続き、広告代理店と海賊版サイトとの関係性や問題の解決にはどのような取組が必要なのか取材を続けていきます。
(Kikka)
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