「漫画村」のロゴ入り漫画、Amazon Kindleストアで無断販売される 集英社「至急対応する」
「漫画村」のデータを「Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング」で販売したものか。
Amazon.co.jpの電子書籍売買プラットフォーム「Kindle」において、集英社の漫画の最新巻が海賊版サイト「漫画村」のロゴを付した状態で無断販売されていたことが明らかになりました。集英社広報部は「ただいま把握したところで、もちろん正規版ではありません。関連部署に問い合わせるなど至急対応します」と今後の対応について答えました。
無断販売されていたのは、人気作品『ゴールデンカムイ』(野田サトル)の最新13巻。正規版の発売日から1カ月遅れとなる4月20日から販売されており、価格は400円と定価の527円よりも安く設定されていた他、定額読み放題サービス「Kindle Unlimited」にも配信されていました。ページの開き方も、本来の左開きではなく右開きになっています。
「漫画村」の掲載作品と同じように、電子書籍のページには右下や左下に「漫画村」の文字やマスコットキャラのイラストがところどころ入っています。販売元は集英社ではなく「Amazon Services International,Inc.」となっていることから、電子書籍を無料で自主出版できるサービス「Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング」(KDP)を使って、何者かが「漫画村」にあった海賊版データをKindleで販売したものとみられます。
Amazon.co.jpでは過去にも、GMOインターネットグループから流出した個人情報がKDPを使って電子書籍として無断販売される事案が発生していました(関連記事)。KDPは個人が電子書籍を販売する前にガイドラインに反していないかAmazon.co.jp側が内容を確認する仕組みになっていますが、今回どのような確認作業が行われたのかなどについて、現在Amazon.co.jpに問い合わせ中です。
2018年4月23日15時:追記
「Kindle」で販売されていた『ゴールデンカムイ』13巻の海賊版は、23日14時ごろに販売ページが削除され、アクセスできなくなりました。
(黒木貴啓)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「漫画村」月間売上は6000万前後、利用者データを販売? サイトブロッキングシンポで調査結果が発表される
利用者データの販売も行われていたとしています。 - 「漫画村出稿メール」を独自入手 「偽名営業」「取引先は海賊版サイト」元代理店従業員が語る異常な実態
漫画村の実質的窓口にも取材。 - 「二度と掛けてくるな」 “漫画村”広告主への取材一部始終、広告は取材後に消滅
広告元は取材に対して「二度と掛けてくるな」。 - 集英社、政府の海賊版サイト対策の決定を受け緊急声明 「海賊版対策において大きな前進」
「集英社としても、より使いやすい正規サービスを提供するなどの努力を継続」するとしています。 - 海賊版動画サイト「Miomio」から動画再生画面消える 「不適当な内容を回避するため」と発表文も
政府よりサイトブロッキングの対象として挙がっていた海賊版サイトでした。 - KADOKAWAが政府の海賊版サイト対策を受け緊急声明 「海賊版問題の抜本的な解決に向けた大きな一歩」
出版広報センターも声明を発表しています。