日本酒にハマりはじめた人が、おいしさをうまく表現できなかったり、お酒に詳しくないけれど好きだということを描いた漫画「日本酒にハマりはじめた人の漫画」がTwitterで共感を呼んでいます。
漫画では日本酒にハマりはじめたという女性が日本酒を飲み「おいしい、おいしいんだけど、そのおいしさを表現する語彙がない」「甘いっちゃ甘いし、辛いっちゃ辛い。コク…キレ…酸度?」と頭の中で思いを巡らせます。そして、お酒を出してくれた人に「どうですか?」と言われて、つい「おいしいです」と答えてしまうというお話。お酒の味を表現するときって「まろやか」「さわやか」「深み」などの言葉も使われたりしますが、実際にはこれくらいしか言えないかも……。
とはいえ、人前で発表会するわけでもないし、「おいしい」でいいじゃないか、何も恥ずかしいと思うことはない――そう思った主人公は、別のお酒を飲んでみれば比べられるかもと思い立ちます。そして、先ほどとは違うお酒を注文するのですが、「たざけください」というと、お店の人に「田酒(でんしゅ)ですね?」と言い直されてしまいます。主人公は、また読み間違えてしまったと恥ずかしくなってしまいます。お酒の名前って、難しいものもありますね。
飲んでみたところ、さっきのとは違う……けれど、結構酔っているので明日にはもう味を覚えていないかもという思いが頭をよぎります。そこに「このお酒は〇〇という酒造好適米を……」と説明を受け、自分はお米を食べてもササニシキもあきたこまちもわからないのに、いつかこのレベルの話についていけるのか……と不安になるのでした。いい原料を使っていたり、こだわっていることは十分伝わるけど、その違いはわからない経験、あるあるです。
そして、「私は日本酒を飲むのにふさわしい人間なのだろうか」とふと疑問に思う主人公。飲んでいるときはおいしいと思っているのだから、大丈夫、自信を持てと自分に言い聞かせるのですが「何かおつまみは?」と聞かれて、つい「ホタルイカの沖漬けください」と注文してしまうのです。本当はピザポテトが食べたいというのに。
お酒って、造る人も飲む人もこだわりが強いことが多いので、初心者も「それらしい」知識を早く習得しようとしたり、それらしく振る舞いたいと考えがちになるのかもしれません。
漫画を読んだ人からは、「日本酒飲み始めて30年以上。唎酒師の資格も持ってるけど未だに日本酒はようわからん 深すぎる・・・」「私はある人に『ソムリエでもないなら、感想はおいしいか、おいしくないかでよい』ということを言われて以来、特に難しく考えないようにしました」など、お酒を愛する人達からさまざまな反応が届いています。
たくさんの工程を経て私たちの前に登場する日本酒。まずは「おいしい」と思えたら、それでいいのかもしれません。おまけに楽しく飲めたなら、もう最高ですね。
画像提供:ポン(@pon0737)さん
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